a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Certified Copy (2010) - マイルドテイスト

Abbas Kiarostami監督 会話時に切り返しショットをむやみに使わない。切り返しショットは常套手段になりつつあるが、小津安二郎を参考にしたかのような画面を構成して、新鮮味がある。大人が口論するだけの映画といえば、ロマン・ポランスキーの『おとなのけ…

ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う (2010) - のんびり食事を

石井隆監督 のんびり弁当を食べるラストが印象的で、このような緩急は嫌いではなかった。題名通り、ヒロインは愛を惜しみなく奪われているが、愛ゆえに愛を失ったというのではなく、元々機能不全な家庭に育って愛がそもそもわからない、ということである。 …

Flesh for Frankenstein (1973) - 生き血

Paul Morrissey監督 綺麗な顔の俳優がたくさん登場し、バッタバッタと内臓を見せて死んでいく作品。散りゆく美学とやらを表現している、アンディ・ウォーホールの慣習した作品。音楽の雰囲気にのれないと、最後まで観るのは厳しい。

Seven Chances (1925) - 追われる

Buster Keaton監督 大量の花嫁姿の女に追いかけられる、見どころ満載の作品。

Secondo Il Mio Occhio Di Vetro (1972) - 残像

Paolo Gioli 監督 目に残像が残るほどに細かくショットを重ね、男の像が見え隠れする。映像ならではの体験で、人間とは何かがなんとなくわかった気になる。

Everywhere At Once (1985) - めまぐるしく

Alan Berliner監督 8分のなかで、さまざまな映像が音楽とともに流される、まさに題名通りの作品。映像に対応する音楽を流すことで、映像の効果を高めているといえる。

Manufracture (1985) - 身を任せ

Peter Tscherkassky 監督 破滅的な映像に身を任せる体験ができる。

Berlin Horse (1970) - サイケデリックに酔う

Malcolm Le Grice 監督 サイケデリックに酔うことのできる短編。これが何時間も続いたら、とても観てはいられない。

My Darling Clementine (1946) - 豊かな脚本

John Ford監督 表面的では無い、人間の核心に迫る作品。

Koyaanisqatsi (1982) - 諦め

Godfrey Reggio監督 映像としては楽しい。ただし、主題があまり伝わってこない。アメリカの都市の映像とともに、ネイティブアメリカンの「平衡を失った世界」という単語を単純につけられただけでは、主題の意図はわかるが説得性が無いかもしれぬ。そこで代わ…

The Mystery of Picasso (1956) - 変容

Henri-Georges Clouzot監督 一度描いた画を、上乗せして別の画で置き換えてしまう様子に驚いた。

羅生門 (1950) - 鮮やか

黒澤明監督 芥川龍之介の小説「藪の中」を以前読んだ。本作を観ていると、そのとき頭の中に浮かんだ情景が、鮮やかに再現されてきた。素晴らし作品である。 (木の葉の影、音楽を用いてそよ風を発生を描写した。)

The Legend of the Holy Drinker (1988) - カメラ移動

Ermanno Olmi 監督 主人公とカメラを直線で結び、その中点を軸として、主人公の動きと点対象にパンをする独特のカメラワークが特徴。ストーリーを説明的にしなかった点に良さがある。

The Last Petal (1977) - やさしさといじわる

Roman Kachanov監督 願い事がかなう魔法の花びらがあり、最後の一枚を足が動かない少年のために使う。監督は、私が知る限り主人公がすべて少年であるが、半数かそれ以上は少女である。後の『Metamorphosis』で登場するような、いじわるな性格の男の子は稀だ…

The Magic Medicine (1982) - 詩的

Roman Kachanov監督 作画に独特のリズムがあり、色づかいが綺麗。 (映像が詩的だ。)

The Inheritance of The Magician Bakhram (1975) - フィクションの見本

Roman Kachanov監督 少年が学校の外にいると、マンホールが揺れていて、そのすぐ下に魔法使いの洞窟があった。フィクションが大胆であり、身近に感じることのできる作品である。作画は非常に丁寧で繊細だ。 (工事現場のすぐ下に、魔法使いの洞窟がある。大…

Aurore (1973) - 表現の開拓

Roman Kachanov監督 監督は人形アニメをたくさん作ってから、本作あたりで戦争時の写真を引用し、表現方法の開拓をはじめている。長く映画製作を行うと、ひとつの表現方法から、複数の表現への融合が図られる。その移行期における格好の主題は、歴史である。…

Novice (1961) - 働く車

Roman Kachanov監督 働く車を主人公に置いた作品。段差のある道を駆け下りるなど、躍動感がある。

An Old Man and The Crane (1958) - 緻密

Roman Kachanov監督 緻密に撮影されている。鶴は、監督の以後の作品にほとんど登場しないが、この細い首と足を持つ動物は、似たような姿でクレーン車の造形に応用されている気がする。 (白樺がロシアの気候を描写する)

The Letter (1970) - 奇跡的な10分

Roman Kachanov監督 空飛ぶベランダによって、空想と現実の世界を行き来する素晴らしい作品。ストーリーは古典的であるが、人形アニメでたった10分間で完璧に描写したのだから驚嘆した。監督のユーモアも健在、手紙をよこさない海軍の夫を想う妻の姿が、アク…

A Little Frog Is looking for His Father (1964) - 水面

Roman Kachanov監督 水面に泡が出ては消える様をうまくアニメーションしている。様々な動物を用いる技術は、のちの『ミトン』、『チェブラスカ』にも大きく貢献した。 (親をさがしているカエル)

Priklyucheniya Neznayki i ego druzey (1972) - 気球の旅

Roman Kachanov監督 題名の英語訳が不明である。気球の旅に出る少年の話。監督の人形アニメで、空を浮遊し続けるシーンは珍しい。子供心に溢れた作品。 (気球に乗り込む)

Metamorphosis (1978) - 気づき

Roman Kachanov監督 険しい顔をしたいたずら好きの少年が、盲目の少女と出会い、何らかの心の変化があった。

Two Tickets to India (1985) - 虎

Roman Kachanov監督 虎の筋肉隆々な様がうまく描写されている。

Cheburashka Goes to School (1983) - 風刺

Roman Kachanov監督 チェブラーシュカは学校に読み書きを習いに行くが、そこには教師が人手不足で、ゲーナとシャパクリャクが教えることになる。

Shapoklyak (1974) - おばあさん

Roman Kachanov監督 シャパクリャクも根強い人気があり、コスプレヤーもいるらしい。監督が以前用いた、電車の題材が発展して使われている。

Cheburashka (1971) - タヌキ

Roman Kachanov監督 躍動感のあるチェブラーシカシリーズの二作目。監督のユーモアが炸裂している。

Gena the Crocodile (1969) - ワニ

Roman kachanov監督 良作のアニメ。若いワニの設定だが、常にパイプをふかしている。

The Granddaughter was lost (1966) - 名回想

Roman kachanov監督 セリフ無しで一つのストーリーを描写した良い作品。回想シーンが二箇所ある。どちらも手紙の文字を提示し、それらが集合し変形し、線描のアニメーションとして回想部分が可視化される工夫があった。 (回想)

The Cloud in Love (1959) - 大陸

Roman Kachanov監督 色使いが綺麗な作品。ロシアは西欧とアジアにまたがる国であり、そして日本まで隣接する。私がロシアの感性に触れると、それを通じて大陸全体のエッセンスを感じるように思える。