1960年代 普通 (好みで)
Roman Kachanov監督 働く車を主人公に置いた作品。段差のある道を駆け下りるなど、躍動感がある。
Roman Kachanov監督 水面に泡が出ては消える様をうまくアニメーションしている。様々な動物を用いる技術は、のちの『ミトン』、『チェブラスカ』にも大きく貢献した。 (親をさがしているカエル)
Roman kachanov監督 良作のアニメ。若いワニの設定だが、常にパイプをふかしている。
Roman kachanov監督 セリフ無しで一つのストーリーを描写した良い作品。回想シーンが二箇所ある。どちらも手紙の文字を提示し、それらが集合し変形し、線描のアニメーションとして回想部分が可視化される工夫があった。 (回想)
Roman Kachanov監督 迷える子猫が街をさまよい、無事に持ち主の家に帰るストーリー。幼稚園生であった私は、NHK教育テレビで働く車がお互いに会話するアニメーションを見た気がする。その30年以上も昔に、本作は工事に使用する車を擬人化した。 (クレーン)
Roman Kachanov監督 丁寧に制作された、可愛らしい作品。
Roman Kachanov監督 ありきたりなストーリーと、使い回された主題でできたアニメである。これをロシアの美的感性で表現すると面白いことになるとわかったのが本作のアニメーションである。 (動物を擬人化した作風だ)
Roman Kachanov監督 異国風の題材を用いて、映画制作風景を混ぜながら話を展開する。独創性のある作品である。 (化け物の回想をする老人。)
Roman Kachanov監督 緻密なアニメーションであり、毛糸を主な描写の道具としている。
Jan Švankmajer監督 監督はアニメーションの描写だけでなく、実写にも優れていることがわかるショートフィルムである。庭の周囲を立っている集団は、ナンセンスな行為を延々と行なっているということで、不吉な予感を感じさせる。この主題を2時間かけること…
Jan Švankmajer監督 クラシック音楽を流れる映像とリズム一致させるという主題は、現代ではアクション映画を除いてあまり見られない。シネマスコープで、バッハの音楽とリズムを一致させる作品は、本作をおいて他には知らない。貴重な試みである。 (黒い背…
Jan Švankmajer監督 人形劇である。人形の中は、ゼンマイ式になっており、生身と機械が混在する世界観ができている。しかし、思想はない。初監督作品である。 (二つの人形が登場するが、相互にはミスコミュニケーションである点も監督の主題である。)
Jan Švankmajer監督 七部構成。小刻みに揺れる描画が多く、監督の中で最も綺麗な映像かもしれない。全体を通してストーリーはあるが、哲学的な主題が薄く、結果として綺麗な描画に重きがある作品と言っても良さそうだ。 (描線。実際は小刻みに振動しつつ運…
Jan Švankmajer監督 陽気な音楽と共に、有名な「Punch and Judy」をショートフィルムに収めた。Jan Švankmajer監督の作品群の中では、陽気な雰囲気の部類に入るが、それはハンマーがミニチュアであり、殴打の音に愛嬌をもたせているためである。閉塞感を描写…
Jan Švankmajer監督 アニメーションの習作として鑑賞できる。石が、粘土と岩石の両方の視点から描写される工夫がある。
Jan Švankmajer監督 ピクニック始まり、楽しい音楽が始まる。次第に、ピクニックは終わりへと向かい、チェスの駒はキング以外いなくなり、閉塞し始める。作られた世界は、落葉によって終幕を迎える。 (終わりゆく遊戯。駒には石ころ(ナンセンス)が一つ混じっ…
Jan Švankmajer監督 生物の進化を描写する。生命の統一という主題は、現代映画においても時々語られることがある。それを正面から取り組むこともあれば、高尚的な印象をとってつけるために利用することもある。 (ホモ・サピエンスも最後には骨標本になって…
Jan Švankmajer監督 脱出しようとする、全ての努力をナンセンスに帰すような壁である。この壁という存在は、映画や小説においてよく主題になったものであるが、最近では見かけなくなりつつある。科学技術が向上し、経済の自由度が増し、不可能という主題が減…
Jan Švankmajer監督 三部構成。それぞれに脈絡が無いようで、有るような、独特の世界観を提示する。二部では、調教する人間に対して、犬がだんだんと調教されながら人間に成るという、おそろしい価値観が堪能できる。 (狂気を感じるが、、、)
Richard Quine監督 普通。恋愛映画としては、新しいストーリーをまさに紡ぎ出す映画監督と、彼のタイプライター女の話であり、虚構と現実がゆるく交錯する作りとなっていた。
François Truffaut監督 恋愛映画の手本。恋愛の駆け引きのシークエンスが多数入っている。この駆け引きが無くして、ただ成り行きでキスするだけで、悪漢や巨大新生物、貧困や孤独から救ってやるだけで、恋愛が成立する恋愛要素とは異なる。本当の恋愛映画は…
François Truffaut監督 恋人、その家族と仲良く食事をする主人公の男であったが、恋人が別の男とできてしまい、残された家族と寂しくテレビをみる。この展開が印象的だ。
Anthony Asquith監督 ストーリーに面白さはなく、むしろ、映画の媒体を通して60年代の世界観を観る。ロールスロイスは、真っ先に『ゴールドフィンガー』を思い出すわけで、よろしくない仕事をして稼いだ人の車、という印象もある。そこで、本作はオムニバス…
Vittorio De Sica監督 主人公を乗せてジャンプしながら走っていく車を、群衆が追いかけていく。それも、楽しそうに追いかけていくのに趣がある。「Boccaccio '70」に収録されている。
Luchino Visconti監督 豪華で、広い、Visconti監督らしい部屋を堪能できる。「Boccaccio '70」に収録されている。
Federico Fellini監督 Fellini監督がミスしてしまった映画、少なくとも話が抽象的に拡散してしまい、同じくAnita Ekbergが出演した『甘い生活』がより具体的で耽美的であった作品だ。技術として、遠近法による女巨人を作り出し、ミニチュアを駆使し、必見の…
Mario Monicelli監督 ある新米夫婦の実像を描き、労働者階級の管理職階級に比べてつらいところ、新米夫婦が家族から嫌味を言われてつらいところ、少なくとも60年代のポピュリズムを目指したのであった。彼女が、バスに乗って街に溶け込んでいくラストシーン…
Federico Fellini監督 『世にも奇妙な物語』に収録されている。 いくつかの点で楽しい作品だった。『8 1/2』は映画監督の苦悩を描く、いわば私小説風の作品構造を取ったが、それから数年後に公開された本作は、役者の苦悩を描くということ。フェラーリが疾走…
Louis Malle監督 『世にも奇妙な物語』に収録されている。 『死刑台のエレベーター』でルイ・マルが好きになったのであるが、なぜか本作は好きになれなかった。監督の腕が落ちたのではなく、役者が悪いわけでもなく、時代性が現代とマッチしないわけでもなく…
Roger Vadim監督 『世にも奇妙な物語』に収録されている。 Jane Fondaがおしゃれで、衣装の装飾的美性にこだわった作品。それにこだわりすぎるあまり、中世の特権階級の服装を超えた現代のファッション性が出て、リアリズムをダメにした。おしゃれすぎるのも…