a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

1990年代 ベスト

THE MIGHTY RIVER (1993) - 母なる海

Frédéric Back監督 監督の以前の作品ではナレーションが無かった。単純な構成、普遍的テーマを伝えることができたが、ナレーションを得ることで、そのテーマと史実を融合する複雑な構成が可能となった。海の描写は他のアニメーションのクオリティの追随を許…

The Death of Stalinism in Bohemia (1990) - 風刺

Jan Švankmajer監督 政治家の粘土人形を解剖するシーンから始まる。風刺に始まり、歴史的叙事を写真や実映像を挟みつつ、上手くまとめられている。粘土によって描写の幅が広がり、短い時間で多くの風刺効果をあげた作品である。 (主導者の口からパンが供給…

BeRLiN (1995) - 美しさがわかるということ。

利重剛監督 サラリーマン役のダンカンが、「ただいま電波の届かないところに居るんだよ」とドスの効いた発言と共に業務をサボる、名言が生まれた作品。私もいつかこの名言で仕事をサボタージュしたいものだ。 中谷美紀について全員が惚れ込んでいるのだが、…

Chungking Express(1994) - 恋愛映画でハンディカムが最も生きた作品に対して。

Wong Kar-wai監督 男と女の距離が非常に近いことに驚く。それぞれ他人であっても、まさに恋する惑星の下では触れるだけで恋人になれる。映画的説得性をもって、この超常的惑星を描写することが大切なのだが、本作はハンドカメラによる近接撮影と、静止画をま…