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a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

The Triplets of Belleville (2002) - マゾ

Sylvain Chomet 監督 かなりマゾな作品。ツール・ド・フランスに参加する選手たちがかわいそうに見えてくる。主題がひとつしかないのでわかりやすい。スタジオジブリの作品を見返すと、そこには複数の主題が常にまじっていることがわかる。そういうアニメ作…

Rabbit (2005) - 普通

Run Wrake監督 ハエを宝石に変えるidolが登場し、ジャムを与えるとどんどん宝石のイミテーションを作ってくれる。このストーリーに目新しさはなかった。新しいのは、登場する存在の上に「idol」とか「rabbit」とか、標識することである。

A Dog’s Life (2005) - 転生できず

Rofusz Ferenc監督 最近観たJan Švankmajerの『Et Cetera』で、調教師が犬を鞭打つうちに、次第に犬になってしまう様を思い出した。そして、その作品では犬になった元人間は、鞭で調教されることによって、ふたたび人間へと戻るのだった。本作で示されるのは…

Father and Daughter (2000) - 心の距離

Michael Dudok de Wit監督 待ち続ける少女と、決して帰ってこない父。彼らの心の距離と現実のそれが隔たるから、センチメンタルが発生し、得てしてアコーディオンの音楽がそこを引き立てる。決して、本作の独創性ではなく、すでに確立した手法だ。本作は、そ…

Before Sunset(2004) - 失速

Richard Linklater監督 『恋人までの距離』に比べると失速してしまう恋愛映画。持ち味であった長いショットが、切り返しショットにより無残にも切り刻まれた点が残念である。脚本は、女は喋りすぎ、男は喋らなさすぎ。ただし、これらの欠点があっても、冗長…

Sick Girl (2006) - 鬼才的

Lucky McKee監督 昆虫マニアのレズビアン、昆虫学教授の娘でありレズビアン、謎の虫。到底組み合わせようと発想すらしないテーマを、全て混ぜ込み、すると、対象同士の反発しあうエネルギーが発生し、その勢いだけで一時間を駆け抜けてしまう映画。

Jenifer (2005) - 魔性

Dario Argento監督 一時間の尺では取り扱えるテーマの幅が相当に狭くなり、使い古された手法に、落ちが読めてしまうデメリットがある。本作は典型的と言って良いが、冒頭から異形の女の姿、これには度肝を抜かれ、Dario Argentoを感じずにはいられない。ホラ…

Dawn of the Dead (2004) - 希望的

Zack Snyder監督 ゾンビ映画は、いずれ感染して、しまいにはゾンビになる人間を殺戮する一面がある。ということは、一般的には、ゾンビになりたくないと苦しむ人間性を捨象し、彼らを銃殺する人間疎外がある。本作は、ゾンビとなりかける妊婦妻といずれ生ま…

パプリカ(2006) - ただただ音楽が良い。

今敏監督 平沢進の音楽が素晴らしい。これにはまるか否かは、本作視聴後の満足度を大きく変えるだろう。作画には、そこまで良さを感じなかった私は、なおのこと音楽と世界観の一致に魅せられた。映画は、小説とは異なって、描写とは独立した芸術様式である音…

ユメ十夜 - 第十夜 (2007) - 普通

山口 雄大監督 夏目漱石の「夢十夜」のオムニバス映画。その十作目である。 多分原作のやりたかった方向性と、全く違った方向性になった。普通の作品である。 ところで、私は本上まなみの写真集を持っていて、外見が好きな女優トップ3に入っていた。それが、…

ユメ十夜 - 第九夜 (2007) - 普通

西川美和監督 夏目漱石の「夢十夜」のオムニバス映画。その九作目である。 普通である。原作特有の、ナンセンスなストーリーが、反戦という意味深い主題を付加されて、実写化されている。現代邦画の実写化において、反戦、家族愛、友情、何らかの主題を与え…

ユメ十夜 - 第八夜 (2007) - 普通

山下 敦弘監督 夏目漱石の「夢十夜」のオムニバス映画。その八作目である。 普通である。

ユメ十夜 - 第七夜 (2007) - うまい

天野喜孝、河原真明監督 夏目漱石の「夢十夜」のオムニバス映画。その七作目である。 オムニバスの中で唯一のアニメーションにして、最も私の中にある漱石像に近づいた作品。ということは、夏目漱石の「夢十夜」とは実写できる代物ではなく、アニメーション…

ユメ十夜 - 第六夜 (2007) - うまい

松尾スズキ監督 夏目漱石の「夢十夜」のオムニバス映画。その六作目である。 原作のモチーフを、ことごとく現代のモチーフに入れ替え、白黒映画とすることで古典らしさを演出、しかも原作の意図を間違えず再現している。良作である。

ユメ十夜 - 第五夜 (2007) - 普通

豊島 圭介監督 夏目漱石の「夢十夜」のオムニバス映画。その五作目である。 原作と全然関係がないが、精神が荒んだ夫と子供の様子は、キューブリックの『シャイニング』を思い出させた。(子供が、母親に向かって「REDRUM」を叫ぶ) もはや、作品は漱石の面影…

ユメ十夜 - 第四夜 (2007) - 普通

清水厚監督 夏目漱石の「夢十夜」のオムニバス映画。その四作目である。 普通。原作は夢を主題にしており、無気力的であり、社会のためにならず、崇高な主題を入れていない。しかし、本作はあえて反戦の主題を入れた。映画のストーリーには「意味」を与えな…

ユメ十夜 - 第三夜 (2007) - 普通

清水 崇監督 夏目漱石の「夢十夜」のオムニバス映画。その三作目である。 普通。幼児の顔は、あえて見せないという選択もあったのではないか。然るに、今回の作品は怪獣ショーのようである。(ちなみに第五夜の監督も、怪獣ショーのように演出した)

ユメ十夜 - 第二夜 (2007) - 普通

市川崑監督 夏目漱石の「夢十夜」のオムニバス映画。その二作目である。 ストーリーの落ちを足し、そのせいで、ナンセンスな作品になった。一方、原作も、ほとんど意味がよくわからない作なので、どちらにせよナンセンスな映像になった。

ユメ十夜 - 第一夜 (2007) - うまい

実相寺 昭雄監督 夏目漱石の「夢十夜」のオムニバス映画。その一作目である。 原作にはない要素を足さなければ、夏目漱石の「夢十夜」を映画として説得性を持たせることが難しい。本作は、時代を設定する道具として観覧車を足し、人の死という静寂を、一方で…

ユメ十夜 -プロローグ・エピローグ (2007)- 普通

清水厚監督 普通。

Fellini: Sono un gran bugiardo (2002) - 普通

Damian Pettigrew監督 フェリーニのドキュメンタリー。本人も、インタビュイーも抽象的な話だけ熱中して語り、彼が夢想家であり世界に対して論理的線引きを嫌ったことは伝わったが、あとは何が何だかわからない。「フェリーニ熱」を解毒するのではなく、むし…

Believe in the Moment(2009) - 写真におさめる

Oh Ki-hwan監督 続くのか、終わるのかもわからぬ青春の愛を描き、写真におさめて終了するという、映画の教科書のごとき作品。よくできている。「オガムド-5感度-」のオムニバス収録作品。

In My End Is My Beginning (2009) - 普通

Min Kyu-dong監督 20分程度ながら、なかなかに凝った作り。「オガムド-5感度-」のオムニバス収録作品。

The 33rd Man (2009) - バイセクシュアルの映画主題が流行中

Yoo Young-sik監督 今一歩勢いのでない新人女優が、監督と寝ることで大胆な性格になるのかと思いきや、他の女優と寝て覚醒するという面白い話。ホモではなく、バイであるのが良い。ホモは社会的に、良い未来を映画として描けた試しがないと思ってしまうのだ…

I'm Right Here (2009) - かくれんぼエピソード

Hur Jin-ho監督 死んだ女との思い出が、彼女の香水とともに甦る。20分程度でうまくまとまっており、二人の楽しいエピソードとして室内でかくれんぼが行われる。それにしても、どうして香水はバーバリーを選んだのだろう。「オガムド-5感度-」のオムニバス収…

His Concern(2009) - 終わり良し

Daniel H. Byun監督 男は冒頭からセックスのことしか、いやらしいことしか考えていない様がよく描けている。というよりもその成功は、ナレーションの力である。最後に、女のナレーションを多少入れて、男の性に関する容態を小綺麗にまとめたのがよい。「オガ…

007 Quantum of Solace(2008) - 画面酔い

Marc Forster監督 カットが多すぎて、物語はわかるが兎にも角にも酔う。あまり視聴をお勧めしない。 『ヒットマン』でおしゃれヒロインとして活躍したOlga Kurylenkoが、今回のBondgirlである。

007 Casino Royale (2006) - 上々

Martin Campbell監督 舞台があちこちに飛んで、どれもセットが凝っているので、中々おもしろい。140分超の意欲作である。

Kill Bill: Vol.2 (2004) - 普通

Quentin Tarantino監督 B級作品とは一線を画すアクションではある。もっとも、「007」シリーズのようなスケールの壮大さがなくて、戦闘が全てこじんまりしたキャンピングカーや豪邸、棺桶の中など、いまいち世界の広さを感じさせない。それが逆に魅力であっ…

Kill Bill: Vol.1 (2003) - 編集と音楽の達人

Quentin Tarantino監督 すばらしい映画だ。全体を通した編集が見事である。実際たいした武術を見せていないにも関わらず、敵への殴打の瞬間をことごとくカットし、切れ目切れ目に効果音を挟むことで、すばらしい武術が実際に行なわれているように錯覚させて…

The white Ribbon(2009) - 悪意を撮る

Michael Haneke監督 周りは自然で、かなり離れたところまで行かなければ別の町にたどり着かないような孤立した町の、人々の悪意を描く。それも、子供という装置を通して表現する。いかに、今回の作品は子供の表情を工夫していることか。ストーリーが進行して…

The Class (2008) - リアルを追求するということ

Laurent Cantet監督 物語の作り方が極めて独創的であるということと(ストーリーがではなく、映画製作のコンセプトとして)、一人の退学者を出させてうまく2時間をまとめたという点で、非常にうまい作品。ただし、私は本作を賞賛できるものの、二回観ろと言わ…

The Wind That Snakes the Barley (2006) - 撮り方がリアル

Ken Loach監督 戦闘の撮り方がよい。鑑賞者としての感覚では、戦闘を撮ることを前提として人物配置や建物が設定されたのではない。あくまでも空想的には地理上偶発して起こった戦闘を、うまく苦心しながら撮った、という印象がある。これは卵が先か鶏が先か…

The Son's Room (2001) - 癒す。

Nanni Moretti監督 著名監督であり、役者としてもその作品の中で活躍する人はあまり多くない。Orson Welles、北野武、、など数えるほどしかいない。そして、Nanni Morettiも当然加えてよいと思う。 本作は、カットの仕方が好みである。息子の死を乗り越える2…

Calvaire (2004) - いたって普通

Fabrice Du Welz監督 これが例えば70年代や80年台の映画であれば評価した。21世紀にもなってこのクオリティとなると評価できる点が特にはない。

Giallo (2009) - 普通

Dario Argento監督 安定したDario Argento監督の作風である。その腕は全く衰えていないが、一方で新境地を開拓している風でもない。良くも悪くも彼の中では普通の映画であった。

Pan's Labyrinth (2006) - 現実と逃避の狭間で。

Guillermo del Toro監督 一般的なダーク・ファンタジーとして考察を終いにするにはあまりに雑である。ファンタジー映画は基本的には裕福というイメージがあり、それは精神的にも経済的にも恵まれた少年・少女が不思議の扉を幸運にも見つけるといったものであ…

Innocence (2004) - 普通

Lucile Had?ihalilovi?監督 2000年代になって、無知であり無垢である少女とその対極にある大人の女が登場する神秘的学園ものを今回観たわけであるが、目新しい手法やテーマがあったわけではなかった。主題が漠然と設定されるというその手の学園ものの手法を…

Tim Burton's Corpse Bride (2005) - 無感動

Tim Burton 監督 80分足らずの作品という性なのか、人物背景の描写不足が目立った。Corpse Brideはまだしも他のいわゆる生者たちの人物背景がわからないので、あまり魅力的なキャラクターたちではない。どんな展開になろうともあまり興味がわかず、結局Corps…

The Other Boleyn Girl (2008) - 主演がちょっと。

Justin Chadwick監督 息つく暇もない演出によって画面に釘付けになる。一方で主役の二人に難ありか。宮廷に入り王に取り入ろうと善処するもその甲斐なく打ち破れていく悲劇を演じる上でNatalie PortmanとScarlett Johanssonが良い仕事をしたのかと質問されれ…

GOEMON (2009) - 美術一級

紀里谷和明監督 これは世界から見た戦国日本のイメージという他なく、日本人離れした美術感覚で戦国時代を描く。甲冑は大鎧ではなく完全に西洋の甲冑。邦画をおそらく紀里谷和明はあまり観ていないだろうし、おそらく邦画を好きですらないと私は想像している…

STAR WARS EPISODE II: ATTACK OF THE CLONES (2002) - 脚本が良い

George Lucas 監督 クローン戦争勃発と、アナキン・スカイウォーカーの堕落が同時並行で描かれるというシナリオが良い。どちらかに比重が偏るということも起きていない。必要なシーンを撮ってすぐにカットして次のシーンに繋げていくからテンポが良い。

Star Wars: Episode III ; Revenge of the Sith (2005) - 圧倒的な視聴感

George Lucas 監督 劇場公開の時には私は中学三年生で、本当に興奮したのを覚えている。スターウォーズは揺るぎないブランドになってしまって、どんなに続編やスピンオフを作っても興行収入が見込めるから、10年後の今でも色々作っている。その変わり、興行…

The Dybbuk of Haifa (2007) - 映画館に事件。

Amos Gitai監督 映画館が空襲を受けてしまう。叙事的な作品である。主人公が特にはいないから、画面を重ね合わせて漠然と撮影しても大丈夫なのである。平和であるから映画が楽しめる、という月並みな感想しか思い浮かばないものの、メッセージ性はある。

Jurassic ParkIII (2001) - 本来の恐竜。

Joe Johnston 監督 ポケベルの音が、スピノサウルスの出現という恐怖に重ねられて演出される。教科書のような優秀な演出である。本作の恐竜は猛獣のようである。怖いようで、どこか怖くないようでもある。ここまで観て、一作目と二作目の恐竜は猛獣というよ…

Monsters, Inc. (2001) - 良さは会社員らしくないところ

Directed by Pete Docter モンスターがある女の子を自分達の世界につれてきてしまったので、人間の世界に戻しに行こうという話。でもサリーもワゾウスキも、子供の前で必死に「大人」を演じようとしているのだ。そして上司の陰謀に、正義感から立ち向かって…

Ratatouille (2007) - ねずみのレストランのアニメーション

Directed by Brad Bird ねずみが冴えないコックに代わって名料理を作るという話。たのしいなぁたのしいなぁと思って観る。お決まりに忠実だから安心して、あぐらをかいて観れる。アニメという手法は料理も綺麗に描けるのだと感心する。 ピクサー・アニメーシ…

Happy Ending (2007) - 映画を観ない

Ken Loach監督 究極的な皮肉の作品で、映画を観ないというエンディングを用意した。それは良いが、タイトルがあまりにもブラック過ぎないか。

Zhanxiou Village (2007) - 盲目でも「観れる」ということ。

Chen Kaige監督 目が見えない人でも映画が「観れる」という。他の子供はチャップリンを観て大喜びして、チャップリンは目で観ないと笑えないはずであるが、それでも雰囲気を全身で感じている子供の姿があるではないか。その雰囲気は、映画座でないと感じるこ…

War in Peace (2007) - 戦争映画の残酷

Wim Wenders 監督 ようやく紛争がひと段落したアフリカで、映画がようやく観れるようになった。そんな平和な年に流れた映画が、戦争映画であったという皮肉な作品である。未だに戦争映画はよく作られているが、それは不幸を食い物にして娯楽を作っているので…