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a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

INON OR THE CONQUEST OF FIRE (1972) - 火

Frédéric Back監督 火のアニメーションが表現豊かである。一見の価値がある。 (火)

THE MIGHTY RIVER (1993) - 母なる海

Frédéric Back監督 監督の以前の作品ではナレーションが無かった。単純な構成、普遍的テーマを伝えることができたが、ナレーションを得ることで、そのテーマと史実を融合する複雑な構成が可能となった。海の描写は他のアニメーションのクオリティの追随を許…

Crac! (1981) - 安楽椅子

Frédéric Back監督 前半の村での楽しい出来事と、後半の都市という悪い存在の描写にわかれる。安楽椅子が一つの主題であり、過去の村の出来事を回想する単純な構成であるが、インパクトは大きい。椅子が前後するとスカートが舞い、その描写が綺麗である。 (…

Abracadabra (1970) - ディスコミュニケーション

Frédéric Back監督 世界を平和にしていた太陽を奪われてしまい、楽しく会話できなくなってしまった各国の子供が、太陽を偶然にも取り戻す。本作は、太陽を隠しにきた悪が、なにを表象しているか明らかでないため、単なるストーリー色が強い。 (国際色豊かな…

All Nothing(1978) - 虹

Frédéric Back監督 監督のテーマは生涯共通なので、『Taratata!』と根底が同じ作品。物欲が、どのようにして人間を暴力的にし、その幸せを奪うかを描く。最後に、その幸せを想像するかのように、口をへの字にふさぎ、その口の輪郭がクローズアップされて虹が…

?ILLUSION? (1975) - 都市悪

Frédéric Back監督 都市を悪ととらえる簡単な構図なので、見やすい。その都市は、金と欲望、ドラック、個性を無視した単一化、生きがいのない労働、精神的な重荷へと連関していく。単純な構図なだけに、普遍性を帯びる。 (うさぎ好きにはたまらない)

Taratata! (1977) - 夢

Frédéric Back監督 パレードで構成される前半部と、子供の夢を垣間見る後半部からなる。パレードでは多種多様な人間模様の後を追うように、近代化された工場や、原子力発電所が続くのが印象的。子供の夢は、同世代の人たちと仲良く楽しく生活することのよう…

The Man Who Planted Trees(1987) - 健康

Frédéric Back監督 淡い色彩がとても健康的に見える。日本でいうジブリ映画の感覚と、根底で主義がつながっている作品だ。数々の映画において、事件、不調和、破壊のエピソードを利用して人間という存在を炙り出そうとする。対照的に、平和、調和、非破壊の…

Flora (1989) - 遊び心

Jan Švankmajer監督 植物が集合して人型になっているが、徐々に枯れて分解されていく。見ると、ベットの上に縛られており、傍にある台にはコップに水が入れてある。人型は水が飲めなくなって、枯れているようである。遊び心が垣間見える作品。

Animated Self-Portraits "Jan ?vankmajer" (1989) - 性格

Jan Švankmajer監督 アメリカ、ユーゴスラビア、日本などのアニメーター29名が自画像をテーマにした『Animated Self-Portraits』に収録されている。Jan Švankmajerの茶目っ気な性格が明らかとなる作品である。 (Jan Švankmajer)

Down to the Cellar (1983) - 想像力豊か

Jan Švankmajer監督 監督の想像力の豊かさが堪能できる作品。極めて上手くまとまっている。 (石炭のベットで眠る男)

The Fall of the House of Usher (1980) - 粘土

Jan Švankmajer監督 ナレーションと共にアニメーションが進む。粘土の湧き上がる様がナレーションに伴い、効果をあげている。

Meat Love (1989) - 勢い

Jan Švankmajer監督 牛肉がスライスされると、やがてふたつのスライスが恋に落ちて踊りだし、最後にはステーキにされる。目新しい作品ではない。 (踊り出す牛肉)

The Garden(1968) - 不吉

Jan Švankmajer監督 監督はアニメーションの描写だけでなく、実写にも優れていることがわかるショートフィルムである。庭の周囲を立っている集団は、ナンセンスな行為を延々と行なっているということで、不吉な予感を感じさせる。この主題を2時間かけること…

Johann Sebastian Bach: Fantasy in G minor (1965) - 音楽

Jan Švankmajer監督 クラシック音楽を流れる映像とリズム一致させるという主題は、現代ではアクション映画を除いてあまり見られない。シネマスコープで、バッハの音楽とリズムを一致させる作品は、本作をおいて他には知らない。貴重な試みである。 (黒い背…

The Last Trick (1964) - 生命機械

Jan Švankmajer監督 人形劇である。人形の中は、ゼンマイ式になっており、生身と機械が混在する世界観ができている。しかし、思想はない。初監督作品である。 (二つの人形が登場するが、相互にはミスコミュニケーションである点も監督の主題である。)

The Pendulum, the Pit and Hope (1983) - 巧み

Jan Švankmajer監督 巧みな描写手法の短編である。クローズアップが多い。 (恐ろしげな殺人装置)

Leonardo's Diary (1972) - 日常

Jan Švankmajer監督 解剖の描画が登場し、やがて日常の風景が実写され、若者の笑顔と共に終わる。明るいマーチの音楽と、笑顔の実写を入れれば、映画の作風を明るくすることは容易いとわかる。アニメーションの対象は様々に分解され、『Virile Games』などの…

Castle of Otranto (1979) - 挿絵

Jan Švankmajer監督 小説の挿絵をアニメーションで上手く動かして、音楽を対応させた。新規性は薄いが、綺麗な作品である。

A Quiet week in the House (1969) - 芸術

Jan Švankmajer監督 七部構成。小刻みに揺れる描画が多く、監督の中で最も綺麗な映像かもしれない。全体を通してストーリーはあるが、哲学的な主題が薄く、結果として綺麗な描画に重きがある作品と言っても良さそうだ。 (描線。実際は小刻みに振動しつつ運…

The Death of Stalinism in Bohemia (1990) - 風刺

Jan Švankmajer監督 政治家の粘土人形を解剖するシーンから始まる。風刺に始まり、歴史的叙事を写真や実映像を挟みつつ、上手くまとめられている。粘土によって描写の幅が広がり、短い時間で多くの風刺効果をあげた作品である。 (主導者の口からパンが供給…

Dimensions of Dialogue (1982) - 放棄

Jan Švankmajer監督 三部構成。人型が互いに相手を粉々に分解し、再構成し合う第一部に表現の新規性がある。そして、第二部は男と女が登場し、第三部ではコミュニケーションの不全が描かれる。 (第一部は、野菜で構成される人型と、機械で構成される人型の…

The Ossuary (1970) - 納骨堂

Jan Švankmajer監督 プラハの東に行くと、礼拝堂が人骨で装飾されているセドレツ納骨堂があるという。鎖骨や肋骨、上腕骨を組み合わせてアルファベットを作る、という具合である。音楽に合わせて画面を動かし、クローズアップ、パン、ショットを切り替えする…

Punch and Judy (1966) - 陽気

Jan Švankmajer監督 陽気な音楽と共に、有名な「Punch and Judy」をショートフィルムに収めた。Jan Švankmajer監督の作品群の中では、陽気な雰囲気の部類に入るが、それはハンマーがミニチュアであり、殴打の音に愛嬌をもたせているためである。閉塞感を描写…

A Game with Stones (1965) - 粘土

Jan Švankmajer監督 アニメーションの習作として鑑賞できる。石が、粘土と岩石の両方の視点から描写される工夫がある。

Darkness/Light/Darkness (1989) - 囚われる

Jan Švankmajer監督 狭い部屋に、人間のパーツが押し寄せてくる。それぞれをつなぎ合わせて、人間の粘土人形ができる。人形は狭い部屋に囚われの身となり、部屋は暗転する。主題として新しいということはなく、手法としても新規性はないように見える。

Food (1992) - 飢え

Jan Švankmajer監督 三部構成である。行為としての食事を嫌悪するという主題で、朝食、昼食、夕食をそれぞれ風刺する。飢えのために食事を行うが、その行為によっては飢えが無くならず、いつまでも貪欲であり続ける点に、それを憎悪する理由を見出しているよ…

Virile Games (1988) - 試合

Jan Švankmajer監督 サッカーの試合をする赤チームと青チームの粘土人形がいる。試合が進むと、それぞれが残虐に殺し始める。有名なショートフィルムである。その試合を観戦する人は、ビールにさらにアルコール度数の高い飲料をショットグラスで足し、ビール…

Picnic with Weissmann (1962) - 落葉

Jan Švankmajer監督 ピクニック始まり、楽しい音楽が始まる。次第に、ピクニックは終わりへと向かい、チェスの駒はキング以外いなくなり、閉塞し始める。作られた世界は、落葉によって終幕を迎える。 (終わりゆく遊戯。駒には石ころ(ナンセンス)が一つ混じっ…

Historia Naturae (Suita) (1967) - 統一

Jan Švankmajer監督 生物の進化を描写する。生命の統一という主題は、現代映画においても時々語られることがある。それを正面から取り組むこともあれば、高尚的な印象をとってつけるために利用することもある。 (ホモ・サピエンスも最後には骨標本になって…

Roman Holiday(1953) - 過去の、脚本の王

William Wyler監督 脚本のお手本として、誰もが羨むような完成度を持っている。まず始まる王女という貴族体制のデカダンスに、記者という資本主義の野心が次々と混じりあう。無邪気という潤滑油で二人の勢いが加速し、王道の恋愛映画に発展する。そもそも、…

Jabberwocky (1971) - 迷

Jan Švankmajer監督 迷路を解こうとすると、黒猫が音もなくやってきて無残に破壊してくる。閉塞的な主題を堪能できる。迷路によって囚われ、要素が緩徐に連結されていく様が上手であるため、全体を通して統一感がある。 (終いには、黒猫はクローゼットの中…

The Flat (1968) - 壁

Jan Švankmajer監督 脱出しようとする、全ての努力をナンセンスに帰すような壁である。この壁という存在は、映画や小説においてよく主題になったものであるが、最近では見かけなくなりつつある。科学技術が向上し、経済の自由度が増し、不可能という主題が減…

Rabbit (2005) - 普通

Run Wrake監督 ハエを宝石に変えるidolが登場し、ジャムを与えるとどんどん宝石のイミテーションを作ってくれる。このストーリーに目新しさはなかった。新しいのは、登場する存在の上に「idol」とか「rabbit」とか、標識することである。

A Dog’s Life (2005) - 転生できず

Rofusz Ferenc監督 最近観たJan Švankmajerの『Et Cetera』で、調教師が犬を鞭打つうちに、次第に犬になってしまう様を思い出した。そして、その作品では犬になった元人間は、鞭で調教されることによって、ふたたび人間へと戻るのだった。本作で示されるのは…

Ticket (2011)- 集合

Rofusz Ferenc監督 監督のこれまでの作品の要素が絡んでいる。作品とは、過去の作品群の要素を取り込みつつ、常に未来に向けて前進する集合体であるということが本作からわかる。本作では、人生の流れが10分でわかる。それだけではなく、土の中に埋められ…

Cease Fire! (2003) - 愛

Rofusz Ferenc監督 人間の愛情を信じ、反戦を説く。肝心なところをあえて描写せず、敵兵に捕まる瞬間、爆撃の瞬間、これらを省くことで、帰って色彩の世界へと入って行きやすい。故に、その性善なる世界が壊れたとき、そのショックに驚く。うまい手法である。…

Deadlock (1984) - ハエ

Rofusz Ferenc監督 死の寸前、ハエが見えたということである。果たして面白い作品だろうか。

Gravity (1984) - 学者模様

Ferenc Rofusz監督 単なる私の想像である。重力を発見したくて仕方がない学者のリンゴが、重力で落ちたくて仕方がない。せっかく落ちると、その証明が終わる間も無く、身体が粉々となる。学者人生の悲哀というものだろうか。 (なかなかの表情描写が堪能でき…

Et Cetera (1966) - 進化の、、、

Jan Švankmajer監督 三部構成。それぞれに脈絡が無いようで、有るような、独特の世界観を提示する。二部では、調教する人間に対して、犬がだんだんと調教されながら人間に成るという、おそろしい価値観が堪能できる。 (狂気を感じるが、、、)

The Fly (1980) - 恐怖

Rofusz Ferenc監督 ハエたたきの音が、これほど恐怖に感じるアニメはない。きっと観客は完全にハエに同化してしまう、完璧なアニメーションが披露される。 (静止画で切り取ると、情景がよくわからない。ハエの世界とは、常に動的で、一瞬の静止もないのかも…

Father and Daughter (2000) - 心の距離

Michael Dudok de Wit監督 待ち続ける少女と、決して帰ってこない父。彼らの心の距離と現実のそれが隔たるから、センチメンタルが発生し、得てしてアコーディオンの音楽がそこを引き立てる。決して、本作の独創性ではなく、すでに確立した手法だ。本作は、そ…

The Grand Dictator (1940) - 諸々要素

Charlie Chaplin監督 映画ジャンルの様々の手法を網羅している。それはコメディの手法として勿論のことである。恋愛が発生するまでを丁寧、ロジカルに描写したシークエンスがある。最後の演説は有名すぎる程であるが、群衆が反応したショットを入れることで…

The World's End(2013) - WTF

Edgr Wright監督 撮り方が上手。前半1/3がすぎると、突然エイリアンの話になる。このエイリアンには緊張感がなく、おおよそ殺人とは程遠いほどの善良さすら見せており、従来のエイリアン概念を覆す。

Before Sunset(2004) - 失速

Richard Linklater監督 『恋人までの距離』に比べると失速してしまう恋愛映画。持ち味であった長いショットが、切り返しショットにより無残にも切り刻まれた点が残念である。脚本は、女は喋りすぎ、男は喋らなさすぎ。ただし、これらの欠点があっても、冗長…

Before Sunrise (1995) - 印象

Richard Linklater監督 王道の恋愛映画であった。電車で偶然にも隣の席に向かい、数回の会話で意気投合。現実の世界では起こり得ない、無理のある会話運びによって、王道のストーリーが開始されるのである。そして、通常にしては長いショットで、即興ではな…

Whiplash (2014) - 滴る血とともに

Damien Chazelle監督 シンバルに滴る血とともに、浴びせられる罵詈雑言に『フルメタルジャケット』を思い出さずにはいられない。『フルメタルジャケット』の前半部を、現代的に解釈するとどうなるか。突き詰めると、本作のストーリーが出来上がる。主人公は…

Tale of tales (2015) - さりげない新しさ

Matteo Garrone監督 新しいタイプのストーリーの陰に隠れているが、撮り方も斬新なものが多い。古い原作だが、描かれている女性像はまさに現代よりで、今までの映画歴史では男の脇役でしかなかった女というキャラクターが一瞬たりとも現れず、奇妙な化け物と…

Diamond Island (2016) - 現代の危うさ

Davy Chou監督 青春時代に特有の笑いの要素を多く入れているが、描かれているのは現代の危うさ、若者の不安定さ、いつ訪れるかわからぬ破滅への静かなる警戒である。夜景の青ネオンが非常に綺麗。

The revenant (2015) - 責任の所在を神に丸投げする

Alejandro González Iñárritu監督 過剰なクローズアップと、画面が揺れるのを厭わない大胆なカメラ移動によって、さながら観客自らが主人公のように感じる。もはや使い古された、復讐の責任の所在を神に丸投げする、アメリカ文化ならではの病が、本作でも十…