a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

JAWS the revenge (1987) - 遂に完結、JAWSのラスト

Joseph Sargent監督。 サメがどうしても作り物にしかみえないので、Razzies賞(※)をとった。最後なのに、勿体ない。

サメについて皆があれこれ言うので物語の意味論的なものが霞むのだが、実際にJAWS2になってから、撮影の基軸がサメから人間に移った。巨大な恐怖の象徴であったサメが、明らかに作り物みたいになって、それをやっつける人間や、時にはヒューマニズムに焦点が当てられるようになった。

それが、意図されているものなのか、それとも続編を担当する監督がスピルバーグほどの技術がなかった結果なのかは分からない。大切なのは、特に本作に象徴的なのだが、サメがそれほど恐怖の対象にはならず、サメは人間にふりかかるなにか象徴的な敵のような意味に変換され、アメリカ映画の格好の対象になった。つまり、敵をうちやぶる家族や個人のヒーローものになっていく。

JAWSのこの、Americanizeされていく現象は、ほかのあらゆるテーマにおいても見られるかもしれない。それは、アメリカの国民的性向であり、映画を鑑賞する国民を意識してつくられるが故の、必然的な流れと言ってよいように見える。

ちなみに、今回は穂先で突き殺した。ボンベ爆発ではない。 ※ ゴールデンラズベリー賞のこと。その年のワースト映画を決める祭典において、名誉にも選ばれてしまった作品たちをRazziesと呼ぶ。