ジム・ギレスピー監督。タイトルからして粘着質である。到底幸せな結末にならなさそうである。
この作品には続編がふたつでていて、それぞれ”I Still Know What You Did Last Summer”が出て、”I’ll Always Know What You Did Last Summer”となった。もはや製作陣はウケを狙っているのかと思ってしまう。ホラーでありかつチャーミングな作品群なのである。
集団で夜に無人の湖に被害者を沈めにいき、そのうちの一人が最後まで躊躇するシークエンスがある。実は、これは見すぎていてうんざりするような王道の展開である。例えば、いつぞやのMothman(2010)と完全に同じである。このストーリーで何をしたいのかというと、集団の中から主人公を定めるのである。もっとも道徳的に逡巡する純粋な人間でないと、ストーリーが面白くならない。ちなみに、女性の方が圧倒的に不安を感じやすい。そのため、この手の主人公は女であることが一般的である。
この手の映画は、アクシデントによって罪がある量感をもってあらわれて、罪性が付加される。本作では実は被害者が生き残っていて復讐してきたというオチであるが、主人公たちの努力によってその罪はなくなる。特筆すべきことに、この手の映画は、事件解決後にも罪性が消えないということで、結局は非自然的ななにかによって殺されてしまうのである。