Tom Gries監督。
出演Charles Bronson、Jill Irelandら。
実際に飛行機を飛ばし、ヘリコプターを飛ばし、実写でリアルに脱獄をはかっている良い映画。全体的に荒いのだが、逆にいえば気張らずにユーモアを交えて製作されている印象があり、良いなと思うのである。決して巧いというのではない。但し、雰囲気が非常に”良い”。
5万39ドル52セントの小切手をもらって終幕となる。
70年代のアメリカ映画の主人公は、自分の主義がはっきりとしていて、ストーリーの中でもその軸がぶれることが無い。その更に前の年代であるハードボイルドの時代においても、やはり主人公は自分の軸をもっている。
対照的に、2000年以降の主人公の男になると、ストーリーの中で主義が右往左往していたり、決断の逡巡を撮らせることが結構おおい。新世紀は迷いの時代ということなのだろうか。
そんな時代に見るBreakout(1975)は非常に痛快で、物語には偶然性だらけで単純な格子が組み込まれているが、それが良いと思わされてしまう。