Guy Ritchie監督。
画面の切り替えがめまぐるしすぎて、何を映しているのか直感的にわからない。情報過多である。音楽の使い方に関しては圧倒的にへたくそである。音楽を常に流して、こてこてしすぎなのである。また、ストーリーの展開の仕方が微妙に断絶しており、理解に手間取る。
この映画は、HolmesとMoriartyの闘技を描いている。J.Huizingaは闘技のことを遊戯の中に発生するものだとし、その原因を人間が己の優越を示すためであるとした。本作中Moriartyが「Are you sure you want to play this game?」という台詞を持っていることからも、本作は二人の闘技を描いていることが明白である。もっとも、彼はチェスで遊びながらこの台詞を吐いているのであるが。
古代ギリシャでは闘技は奴隷が専ら代行していたように、その闘技の名残はこのような闘技性向のある映画が代行しているように感じる。あくまでこれは私の持論なので、本当なのかどうかは厳密な検証が必要であるが。理論ではなく本作を観る側としては、優れた頭脳の闘技だけではなく、優れた身体能力も付加された闘技という、娯楽をたのしめれば良い。
先述したように、画面がめまぐるしすぎて私は楽しみがたかった。
Irene Adlerを演じる Rachel McAdamsが綺麗すぎる。彼女はほんとうに綺麗。結局彼女が登場するシークエンスでは彼女ばかり私は観ていた。今回、ほとんど出てこなかったのが残念。
ラストのHolmesの擬態がおもしろかった。