Renny Harlin監督。
空港というセットでこういうことも出来るんだという、創意工夫に満ちた作品。
音楽同士の対決が観られる作品でもある。味方の形而上の音楽と、敵の形而上の音楽を、交互に流していく。作品全体を大きく盛り上げることができるのである。
敵の倒し方に、アメリカ独特のプラグマティズムを見た気がした。映画上のヒーローは、敵の大将を直接撃ち殺す必要はないのである。敵になぐられて飛行機から落とされたのだとしても、敵の飛行機を爆墜できれば目的は達成されるのであり、本作ではそれが実行されている。ヒーローは敵の大将を力でねじ伏せなければならないという、ステレオタイプのヒロイズムは踏襲されていない。そのような点に好意がもてる作品であった。