Abdellatif Kechiche監督。
助演は『ミッドナイト・イン・パリ』、『美女と野獣(2014)』などの出演で知られるLéa Seydouxである。主演はAdèle Exarchopoulosである。彼女は私はあまり知らない。
本作の主眼は通常のレズもの映画、すなわち片方はレズ経験者で片方はレズの初心者で、どちらかがレズの関係に不毛を感じて両者に齟齬が生じて終幕するパターンにはない。本作が描写しようとしているのは、レズという性体制に対する社会的描写ではなく、人間の孤独そのものである。その意味で、日本の『ジェリー・フィッシュ』やイギリスの『My Summer Of Love』とは異なる。
性行為描写が、全体であわせて7分ぐらいはあったのではないかなという印象であった。おなじ傾倒の映画の通例としては、かなり長めである。
なぜかスピルバーグが絶賛し、主演と助演のふたりにも例外的にPalme d’Or(最高賞)が与えられたのだが、何故なのかはよくわからない。
監督はdetail shotを多用し、ゆえにレズカップルの日常をのぞいている感覚が凄くあった。気付く方がいるかどうかはわからないが、Adèleは常に口が半開きである。そんな半開きの口でdetail shotをされれば、その吐息、その口の匂いまでこちらに届いてきそうだ。
ぜひ、機会があればシアターで視聴したい作品である。