滝口禎一監督
東京を舞台にしている、ルパン三世の派生映画である。出来は普通だ。それにしても本作にでてくるマキという人間、あんな賭け値なして純朴な女がいるだろうか。男が好き勝手につくった典型的なキャラクターのように感じる。
ところで、よくある紋切り型であるが、敵が製薬会社の人間であり、新種の薬や細胞を開発して軍事利用しようともくろんでいる。主人公は、たとえばその事件に好きな女が巻き込まれたり、もしくは他の事情によって、その敵に対峙して打ち勝つ。本作もそのような紋切り型を地で行くような派生品である。
ところで、そういう新薬や新種細胞を開発しようとするのであるが、そんな開発ができれば郡司転用などではなく、ノーベル賞がとれるのにと思ってしまうのは私だけであろうか。何が言いたいのかといえば、そんな敵は非現実的すぎるというのである。非現実的な存在なのだから、共感などできるはずもなく、敵として仕立て上げられたような存在である。