a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

かぐや姫の物語 (2013) - ふわりと舞う跳躍は、アニメでなければ表現し難いか。

高畠勲監督。

アニメーションが映画において絶対的に優位であるのは、跳躍の表現である。ただし、直線的な飛翔であれば、CGにおいても優位性は認められる。しかしながら、単に高速で飛ぶことと、跳躍ということの動的な意味合いは決定的に異なる。地面から出発し、楕円軌道を描きながら、地面へと戻る運動が跳躍である。地面から出発する力が、次第に減衰するように表現しなければならない。この点に関しては、アニメーションが優れている。本作において、後半でかぐや姫が羽織を垂直方向に投げる様子を観て、私は動揺した。あのシーンのようにCGで布を飛ばすことは不可能である。そのため、アカデミー賞に推薦されたという事実は、その表現の実力からして納得できる事なのである。また、高畠監督は、主人公の精神的な高揚とストーリーの集結を重ね、その重なった瞬間において主人公は走りながら空を飛ぶことになっている。『おもひでぽろぽろ』においてもそうであった。