a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Populaire (2012) - タイプライターの早撃ち世界大会。

gis Roinsard監督。

『幸せパズル』ではジグソーパズルの世界大会があって、本作にはタイプライターの早打ちコンテストがある。人間はどんな装置にしても、その早さを競争することが好きである。この事実を知っていたら、新しい映画のシナリオ五十本でも書ける、と思うのである。主人公は女で、世界大会に出場するために親身に特訓する男がいて、大会の途中で男の愛情を女が受け入れるシーンを入れる。女はその競技に元から才能があって、へんてこな自分のやり方でその競技をするのだけれど、競技に即した正当な手法に矯正する必要がある。その矯正役を買って出るという形で、その男を登場させてやる。簡単なものである。『幸せパズル』で世界大会に出場した奥さん、恋した男に背を向けて自分の家庭に戻って行った。アルゼンチンは現実主義的なのである。それに比べて本作は、安直なまでに二人は結ばれ、「アメリカ人はビジネスを、フランス人には愛を」などと言って終幕する。いかにフランスはoptimistの国かという、それも愛に対する妄信的なまでのoptimistなのである。