高良嶺監督。
アマチュアの作品である。
早稲田大学映画研究会の作品なので、まさかこの学生が将来この名前で監督をしているとも考えにくいのであるが。吐血するシーンは、『Stealing Beauty』であれば、一度カットして、口に実際に液体を含ませて吐かせるショットをつなげる。本当に研究会なのか、学生の出来であるから仕様がない。
ただし、俳優のルックスが、映画のストーリー展開や音楽、パースペクティブとは無縁であることを、私は本作から学んだのである。出演者は学生で演技には期待しない。その前提を持った上で観た本作は、より映画のストーリー展開やそれに関連する事象をよく観ようとする、心理的集中力をもたらしたように考える。