平山秀幸監督。
標題にある通り、米軍にフォックスと呼ばれた男が主人公である。
B級映画の定義である、戦闘中における不自然な言語応酬が確認される。カメラワークにおいても、人間がこんなかたちで配列しているものか、井上真央が説得不能な意固地すぎる人間となっているが、内輪で協力しなければならないのに、こうも人情にかけた人間がいるものかと。アメリカのB級戦闘もの映画に、大きく影響をうけているわけである。しかし、ここまで下手でも受ける映画はつくれるのである。蓮實がいうように、監督の何人かは、シネフィルとして映画を沢山観ていないのに、映画をとる。本作は、アメリカアクション映画の原則と、邦画の断片が組合わさったような形式となっている。
映画音楽で、悲愴音楽をチェロのソロパートで表現していた。私がいまのところ経験する限りは、チェロのソロパートで、特に低音を使用するのは日本の映画だけであるようにおもう。