a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

A Clockwork Orange (1971) - クラシック音楽が映画と結婚できた、希少な作品。

Stanley Kubrick監督。  クラシック音楽をまともに使いこなせる監督は、やはりKubrickぐらいであった。他の多くの監督は、クラシック音楽からあまり多くを学ばないようである。一度しっかりとKubrickの音楽使いのセンスを見習わない法はない。たとえKubrickがカメラワークとしての超人さが目だっており優れた画面を構築している監督作家であるのだとしても、真に優秀なのは画と音楽を融合させる力である。

 今回、服装がとても良い。宇宙的なるものへの憧憬があった60年代から70年代に撮ったからか、服装が若干SFのように見えてくる重くも軽くもない衣装。以後、スキンズ、シャーピー、パンクなどと、本当にやばい服装が若者中心に流行った。それに比べれば滑稽とさえ言える衣装は、本作を映画にしたててくれているのである。正確には、衣装をはずすことは娯楽映画の立ち位置を定め、その輪郭を強調する作用がある。