a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Horns (2013) - ダニエルラドクリフは、おそらく演技が下手である。

Alexandre Aja監督。

映画の現代潮流について、「ハリーポッター以後」と分けることができるのであれば、かのEmmanuel Toddの有名著書のような魅惑の響きが得られるように考えるのであるが。世界を風靡したハリーポッターのシリーズが、現代映画においてのポップの方向性を変えてしまったようにも見れるということだ。そのシリーズに主演したDaniel Radcliffeは、一体いまどこに行ったのか。ふと彼を探しに行きたく思い、本作を観た。

本作は、ハリーポッターほどは受けることはないだろう。なぜなら、観客全員が支持できるような主人公カリスマ性が無い。それは、不死鳥の杖を持つことができた主人公の有望性と、本作において突然に頭から角が生えてきた主人公の、質的な差異として表現できるだろうか。否、私はDaniel Radcliffeがもともと演技が下手であるから主人公カリスマ性が出ないのであると思った。

カリスマ性とは、他者を言動ひとつで感化できる能力である。この能力は、エクスペリアームスと叫んで敵を倒す能力や、本作のように他者の本心を引き出すことのできる能力とは、関係しているようで一切関係していない。そのような能力は、実は先天的に人間性のうちに付与されているような代物である。このカリスマ性が無いから、本作は主人公がどことなく間抜けに見える。

映画にしても詩劇にしても、人のカリスマ性を出すという先天的悩みをかかえている。一方で、アメリカの俳優界は誰にしてもカリスマ性がありすぎて、誰もかれも美貌すぎて、一般庶民の役を任せたら逆に滑稽である。これは役者にとっては、カリスマ性の呪いにかかっているのだろうと、適当に考えている。