David Lowell Rich監督。
コンコルドという航空機は見慣れないが、以前就航していた航空機の一種である。コンコルドの着陸滑走路に突然と気球が飛び出してきたり、突然とミサイルが飛んできたりと、どことなく間が抜けた構成である気がしないでもない。というのも、気球が出現していることは、誰かがもっと早くに気づいているはずであるし、ストーリーを補給するために現実感覚を多少なりともゆがめているか、無視しているところがある。
とはいえ、映画とは現実とフィクションの境界線をうまくまとめて、その境界線を越えていく過程にあるのであるから、間の抜けた構成というのはどこかには出現していても良い。ストーリーの作成過程に、現実感覚としては本来異常である前提や構成があるが、それをどのように超えていくのかということである。
もしかしたら、B級映画とは、既出の間の抜けた構成に準拠した二番煎じの映画を指すのかもしれない。
映画音楽はLalo Schifrinが担当した。distribution d'ensemble; グランドホテル形式を前半より展開するにも関わらず、オールスターの出番がほとんど無い。途中で空中分解してしまったらしい。
コンコルドという特殊な機体を用いて、題材的独自性がある作品で、アイディアが良いと思われた。唐突にミサイルに追われる点もよく、コクピットの窓を破壊して発煙弾を撃つ点も、独特であるかと思われた。