Jocelyn Moorhouse監督。
愛情が崩壊していくという、映画が非常に好むテーマについて取り扱っている。そしてまた、テーマについて禅問答のようなストーリーを展開して、その中で登場人物に喋らせて、ストーリーの答えを見つけ出そうとするものである。そのスタイルにおいては、登場人物は例外なくえらく饒舌で、自らの過去についても忌憚無く語ってくれる。そして、複数の「自分語り」がすべて主人公の悩みにたいする答えとして直結するという、ご都合主義に近くなる。
ひとつ良かったシーンは、源流の川辺で女がダイビングをするショットである。裸足のくるぶしをdetail shotで写すのであるが、ダイビング前の精神的な緊張感、そして肉体的な鼓動が伝わってくるようであった。人間は精神と肉体の統合されたものであるから、映画においてもその両方が一つの画面で表現されているものが優れたショットであると、個人的に思っている。