a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

The French Connection(1971) - 映画の快楽を提供する秀作を観る。

William Friedkin監督。

映画の快楽とはまさにこの映画の提供する時間のごときものである。主人公が捜

査官であるとか、アメリカにフランスのマフィアが攻めてきているという主題と

は快楽は関係しない。捜査官とマフィアの物理的な距離感を、きわめて忠実にフ

ィルムにしている点が、快楽と大きく関係している。観客があたかも自分が捜査

官になって、実際に世界を見ているかのような感覚を残してくれるのである。物

事やストーリーを、客観で描写するだけではなく、主観で描写する姿勢を崩して

いないからである。こういう姿勢の映画は、実は近年は特に減ってしまった。