Jim Jarmusch監督。
現代風に言えば若者によくあるようなモラトリアムということで、若者の亡霊
のような自己探求を描いている印象である。自分の感性に合う、自分の居場所で
あるという確信的な安心を抱けないから、居住地を転々として自分に合う場所を
探すのである。
最後のエンドクレジットで、去り行く都市をひたすら映していた。これは良いシ
ーンである。観客が主人公になった気分で、今まで住んでいた街に思いをめぐら
せ、若干の郷愁を感じることができる。ある情景の長回しのシーンは、
Tarkovskyが有名であるが、長く回すことで独特の効果が得られることが知られ
ている。