Aki Kaurismaki監督。
モーゼが出てくるので何事かと期待して観たら、前作の独裁者がそのまま名前を変えて出てきただけという、独特な肩透かしをくらう映画。即興演出である点も前作と変わらない。
ハリウッド映画のような仰々しい敵が存在しない。本シリーズで描写されているものは、主人公たちの運動である。すなわち、レニングラードからメキシコ、メキシコからレニングラードへの振り子のごとき往復、これを描写しているだけなのである。それ以上の意味がなくとも、それだけで観ていて面白いという事が、本作の良いところになる。