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a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

La Nuit americaine (1973) - 映画の愛にあふれるために観る。

1970年代 普通 (好みで)

Francois Truffaut監督。

映画世界の中に監督のにおいのする映画と、しない映画。もう近年の映画一般ではめっきり監督のにおいがしなくなり、CGによる人工的なにおいしかしない。プラスチックが地球の環境に良くない様に、CGばかりを観ていては映画を感受する脳内には良くない。必要なのは、ストーリーを構成する絶対軸である登場人物の表情と、その映し方に対する感受性である。この点を逃すと、映画の大まかなストーリーと迫力のある映像美以外は、どの映画を観ても差がわからなくなる。

本作は映画愛に満ちており、俳優の個性を最大限に引き出すという目的においては、最高の実験材料であり素材である。なぜなら、登場人物は俳優であり、彼らは私生活でも俳優をしているので、素の自分と演技との誤差が理論上はゼロの世界である。そのため多少異質な題材を扱っていて特殊であるという課題点もあるが、ある人間の素を映画として納めるという点には特化して優れている。代償を払って、良い物を突き詰めているのだ。