a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

七人の侍 (1954) - 表情に対する素晴らしき光の陰影を観る。

黒澤明監督。

人間本来の可能性を存分に目で感じることのできる作品。それは、七人の侍や百姓が、一聞すれば不可能に思えることに挑戦しているというストーリーの構成だから可能性を感じるのではなく、画面から観客の目に確実に伝わる圧倒的な表情の躍動感によって、人間本来の生命的底力と精神的底力を否応なしに共感してしまうからであると私は思う。事実、白黒映画の中で、本作のような顔が照るほどの明瞭な陰影は他の同年代映画の追随を許さない。日本人だから観るべきというよりも、映画好きであれば観るべき良作である。