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a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

El Topo (1970) - Therapy Picturesを観る。

1970年代 普通 (好みで)

Alejandro Jodorowsky監督。

監督の話すことにはtherapy picturesと云って、社会的なものごとへの絶望を救済するような映画が求められている。本作はまさにそれをストイックに実行したものであり、映画人としてのかくあるべき姿を示している点において普遍的に価値を持つ作品となっている。具体的には、ロードムービさながらに広大な砂漠を放浪し、戦闘や人殺しをしたり殺人を辞めるように努力をしたり、主には人間の戦闘に対する内面葛藤を精神的軸とした百二十分の映像ストーリーとなる。「自分が与えられないもの(表現体として伝えることが出来ないと作者的確信があるもの)は撮らない」という方針のもとで、非常にシンプルな作りをする。ここから私好みの映画論へ舵取りしていくが、本作においてもストーリーの駆動力が女である特性を見ることができる。前半は「夫にするなら最強の男でなきゃ嫌」と連れの女に言われて、それを主人公の男が呑む。後半も、別の女が主人公に人生とはかく在るべきという愛による生活を無意識のうちに教え、それを主人公の男が感化することで進む。女が価値観を与え、男がその価値観を求めるという、いわば内燃機関が砂漠を突っ走っているような躍動感を得られるのである。