a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Underground (1995) - 画面にほとばしる才能を観る。

Emir Kusturica監督。

カンヌでパルムドールを獲るというのは、ある明瞭な文化的メッセージを強力に描写できる実力を指すと思う。監督の『Arizona Dream』は、実力はあったが文化的メッセージは皆無に等しい。(しかしヴェネチアで銀熊は獲った。)本作は、明瞭なメッセージがあるが、それは歴史的政治的なものだけではなく、人間という漠然とした存在をどこか好きになれるような、ヒューマニズムも含むと考える。

最後は、『8 1/2』を思い出させる。オールスターを時空間軸無関係に総出演させ、楽しく踊るというものである。本作では、時空間軸が無関係であることを、丁寧に描写までしている(井戸で泳ぐシーンである)。