a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

L'Enfant (2005) - 音楽を使用しないことの良さを観る。

Jean-Pierre Dardenne, Luc Dardenne as director

決して悪くはないが、何か独創的に非常に秀でている点があったのかどうかは微妙な作品。もちろん全体的なレベルは高い。映画音楽からの独立をテーマとしているかのような作品に見えた。主人公のカップルが車中でふざけて流す音楽(これがヨハン・シュトラウスなのには驚く)の他、音楽が使われようとする形跡がない。エンドクレジットにすら、映画音楽がない。しかし、映画音楽がないことが、本作の伝えたいことや感動を弱めることはまったく無い。もちろん、エンドクレジットに音楽があっても問題は無かったが、無くても良いから無いのだろう。ルーチンワークとして音楽を入れることに、合理的に意味を見出さなかったので、その点において今の時代にこそ独創的になったという帰結であろうか。