a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

The Gold Ghost (1934) - 音が入ったキートン映画を観る。

Charles Lamont as director

映画に声が入った。しかし、Buster Keatonの映画のよさは、映画に声が入るかどうかとは完全に離れた場所で誕生しているらしい。その証拠に、彼の20年代の30分弱のコメディー映画と見比べても、本作には特段の進歩というものが無い。

サイレント映画製作者は、自らの積み上げてきたキャリアや技術が、トーキーによってすべて洗い流されるのではないかと恐怖した。ところが、本作を観ればわかるとおり、トーキーがサイレントの技術を洗い流すことは一切無い。むしろ、その技術の粋のすべてを温存して、音が映画諸要素のひとつとして加わったに過ぎない。Andre Bazinは正しい。