Charles Lamont as director
映画に声が入った。しかし、Buster Keatonの映画のよさは、映画に声が入るかどうかとは完全に離れた場所で誕生しているらしい。その証拠に、彼の20年代の30分弱のコメディー映画と見比べても、本作には特段の進歩というものが無い。
サイレント映画製作者は、自らの積み上げてきたキャリアや技術が、トーキーによってすべて洗い流されるのではないかと恐怖した。ところが、本作を観ればわかるとおり、トーキーがサイレントの技術を洗い流すことは一切無い。むしろ、その技術の粋のすべてを温存して、音が映画諸要素のひとつとして加わったに過ぎない。Andre Bazinは正しい。