a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Elephant(2003) - Fur Eliseの奇妙なマリアージュを観る。

Gus Van Sant as director

BeethovenのFur Eliseが象徴的であるが、音楽の与える説話的意味という観点でみればFur Eliseである必要は無い。ただ、殺人犯がピアノの初級者でありFur Eliseを弾けなかった、というだけの意味でしかないが、かえって無意味=意味の磁場が働くのか、印象の深い映画音楽となった。もっとも、猟奇的な映画の代表として『シャイニング』で用いられていたような不協和音も、本作には十分に入っていたと記憶しているが、本作はそれにとどまらずFur Eliseが入っている。べつに、ブルグミュラーアラベスクでもよかった。

合理的に物語を構想していけば、Fur Eliseは普通思いつかないと思うのだが、どうだろう。