Wesley Anderson監督。
単調でつまらない。ロードムービーのおもしろさに必要な、旅の出来事のギャク性と意外性があまりにも無い。蛇が逃げたら、それが別の客室にすべりこみ客室乗務員の女に噛み付くとか、多少なりともギャクの要素が欲しい。しかし、本作では蛇がただ車掌に見つかって終わりである。もちろん、後にその蛇を車掌が飼育していたという落ちはあるが、それだけである。出来事の皮肉性は画面を動的にしなければならない。すなわち主人公や観客が右往左往するような動きに展開するから映画として楽しい。本作にはそれがない。大学生が自分探しにインドに旅行したという感覚だけか、本作にあるのは。ロードムービというにはあまりに現実的すぎる。
また、なぜパリのシャンゼリゼ通りの恋愛を賞賛した曲をエンドクレジットに流すのか、違和感がある。