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a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

楢山節考 (1983) - 日本の共同体意識と自然を観る。

今村昌平監督。

 日本の共同体意識と、山の自然との調和が描かれていて映画として上手い。非常に美しかった。

 姥捨て後の積雪のシーンが若干画面が汚い。悪天候の野外をおして撮影をしているから、室内で撮影をするよりは画面が粗いに決まっている。本作で描きたかったのは、日本におけるムラの意識の象徴としてあった姥捨てだ。その感動的な事後を、粗い画面でつなげては感動が薄い。興ざめというものである。もちろん、姥捨てという事象そのものに観客の感動が必要なのか、と問われればそうではないだろう。ただし映画を映像芸術作品と捉えたら、「日本には姥捨てがある」という説話だけで映画が終わるわけにはいかないだろう。観客に感傷をもたらすドラマチックな展開こそ必要だろうと、私は総合芸術としての映画に与するが、本作にはそれが無かったように思う。言い換えればエンターテイメントを、根っ子の部分で信じていないのではないかと思われる部分がある。