a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

The Trouble with Harry (1955) - 村人談合。

Alfred Hitchcock as director

 Hitchcockの特色としては、我々から観たらめずらしい。なんとサスペンスの要素がほとんど無い。彼らしいサスペンスという意味で言えば、それは皆無である。

 この訳の分からぬ作品は、舞台喜劇でも見ているようなキャメラで進行し、ただのブラック・コメディであった。山で男の死体を見つけた人が、自分の打った流れ弾のせいで死んだと思って、ああついていないと死体を埋める。しかし、自分が犯人ではないとわかり、死体をまた地上に出す。その死体の往復運動が楽しいといえば楽しい。しかし、それだけの良さしかない。結局誰が殺したのか。そこで緊迫なサスペンスにはならず、村人同士の疑惑の応酬にもならず、彼らがただ自分たちの幸福を願って曖昧に死体を隠蔽するだけの映画である。村の保安官役、Royal Danoも全然頭の鈍そうな役をしてしまって、頂けないな。