Robert Zemeckis 監督。
構想が非常におもしろい。現在を85年とすると、未来のスケーターを使って、スポーツ年鑑を取り戻す過去の場面で役立てるのである。こういう映画は公開したもの勝ちである。タイムトラベルものの映画は作られるけれど、タイムパラドックスの発想はこの二番煎じに観得てしまう。
Thomas Wilsonは可哀相なキャラクターで、映画としてかなり残酷な事実を示している。子供の頃にいじめる側か、いじめられる側かで、将来の彼の職業や社会的地位が変わるというのが、PartⅠの示した残酷な真実だった。Thomas WilsonはMcFly家に負けて、召使として一生を過ごすはめになったのである。本作は、そこまで人間的・社会的考察が無いというか、一言でいえば普通のアクション映画である。
PartⅡの終盤まで観て、いつの時代もTannen家は、デロリアン号とパラドックスという問題以前に、McFly家に負け続ける運命であるのだと気づく。Tannen家から観たら残酷な映画だ。残酷さにかけてはばか正直な演出だ。
そして、奇妙な科学者博士は1885年に飛ばされたと続編への導入が入り、次作はただの西部劇になりさらに凡庸な作になるのではないかとの予感を残しつつ、終幕する。ただ、未来のThomas Wilsonが風呂場でClint Eastwoodのウエスタン映画を気に入って観ていたから、彼の祖先は西部出身であるという伏線はあるのだけれど。