Wim Wenders 監督
ようやく紛争がひと段落したアフリカで、映画がようやく観れるようになった。そんな平和な年に流れた映画が、戦争映画であったという皮肉な作品である。未だに戦争映画はよく作られているが、それは不幸を食い物にして娯楽を作っているのではないか。本作を観ると、世界の格差というものを、映画は何の修正もせずに投影してしまうのだとわかるのである。
ところで、日本では太平洋戦争の題材が馬鹿のように売れ続け、特攻部隊の邦画ばかり作っているが、あんなものやめればよいのにと思う。いい加減目を未来へ向けろ、と言いたくもなる。