a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Ivan's Childhood (1962) - 撮りたい画のために何でもやった。

Andrei Tarkovsky 監督

 タルコフスキーはしばしば詩的であると言われるけれど、映像の詩人であることの由来はその自由さにある。もっとも映画の制約から自由になろうとする意思の強かった監督、と言っても差し支えない。水面に焼夷弾の当たる絶妙な光具合とタイミングは、相当にリハーサルを重ねたのだろう。白樺林の中で繰り広げられるロシアの人間模様。撮りたい画が明確で、その画を獲得するためならば何でもやった。だから詩的になった。他の監督には真似できないストイックさである。