a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

My Life to Live (1962) - 人生観のつまった爽やかなテイスト

Jean-Luc Godard監督

 

 10を超える章に分けて、それぞれに置いてストーリーに付かず離れずの独立したテーマを設けている。それぞれは独立しているが、「映画好きの人生」という意味で相互に連関し、違いのテーマの重要性を高めあっているように私は見た。もっとも、Godardの作品に一般的な意味を付与しようとする試み自体がナンセンスというか、鑑賞者がどうとでも受け取れる内容の話だから、今回私はそのように感じたとでも言っておこう。『裁かるゝジャンヌ』でAnna Karinaが泣くシーンが一般的に有名ではあるけれど、Godardの作品に「一般的」なんて言葉は馴染まない。映画に涙したと思えば、一方ではカフェで哲学の興味をあらわにするAnnna Karinaの方が私には魅力的に思えたし、そんな文化的思考が一瞬にして肉体とともに滅びるラストの方が、やはり美しいのではないかと思う。