a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

The Cameraman's Revenge (1912) - どこまでも暴力的に

W?adys?aw Starewicz監督

 

 容易に暴徒化しそうな虫たちのフィルムである。当時のあらゆるスラップ・スティックコメディよりも本作の方が暴力性が強いように見えるのは、登場者が昆虫であるからである。彼らには遠慮や力の加減というものがない。少なくとも人間の役者がするであろう人道的な配慮というものに欠けているとさせる、昆虫の世界だからである。私にとって、人間が人のするように殴るのと、昆虫が人のするように殴るのとを観るのは全く別物であった。どんなにexoticな映画であっても、たとえば秘境の原住民の世界を覗いてそこに在る暴力を目の当たりにすることよりも、今回の昆虫の世界における暴力が面白いことに異彩であったということである。