Thomas Edison監督
はじめは普通の作品かと思った。劇を正面から撮影する、20世紀初頭の手法を踏襲しているだけだと感じたからだ。しかし、途中から鏡が登場して評価が逆転する。私が、映画において鏡が登場したフィルムの中でおそらく最古である。
鏡は人物描写とストーリー進行を同時に担う役目を持っている。さらに、撮影された枠の先にある空間も表現しうるという撮影技法の革命をもたらしている。この二つの巧さには冷や汗が出そうであった。ストーリーは陳腐であったがさすがはThomas Edisonといったところか。