a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

夜明けのうた(1965) - すばらしき群像

蔵原惟義監督

 

 岸洋子のヒットシングルを主題にしながら、群像を描いた。落ち目の女優と失明しかかっている女が登場する。この二人の対比構造があまりにも明瞭であるから、観客として私はすんなりと映画の世界に引き込まれて、映画の発するメッセージも受け取りやすかった。クリアカットな脚本に新鮮味のある撮影が加わって、すばらしい作品になった。夢のようで夢ではない一晩の群像、日常の中に非日常を提供する急行列車の走る様を見る。浅丘ルリ子は適役である。