Laurent Cantet監督
物語の作り方が極めて独創的であるということと(ストーリーがではなく、映画製作のコンセプトとして)、一人の退学者を出させてうまく2時間をまとめたという点で、非常にうまい作品。ただし、私は本作を賞賛できるものの、二回観ろと言われたらそれはかなり不可能に近い話であり、直感的に言えば本作はつまらないかったのである。それは、学校というものが自分にとっては過去に終了した事象であり、そこに未来を感じないことから来る退屈さかもしれない。ともあれ、そういう意味では、本作は学校という事象を極めてリアルにしたのであり、娯楽という映画の美徳からは一線を画した魅力を提示しているのかもしれない。