a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

The white Ribbon(2009) - 悪意を撮る

Michael Haneke監督

 

 周りは自然で、かなり離れたところまで行かなければ別の町にたどり着かないような孤立した町の、人々の悪意を描く。それも、子供という装置を通して表現する。いかに、今回の作品は子供の表情を工夫していることか。ストーリーが進行していくにつれ、町に起きる犯罪はどうも大人の仕業ではないらしいとわかり、子供を見ることが、すなわち悪意を垣間見ることであるように錯覚していく。しかし実際には、それは教父や地主をはじめとした大人たちの悪意が、不思議な力でもって反射されている鏡を見ているようで、その鏡が今回は子供の形をしているだけではないかとも思えてきて、結局、大人の悪意を見ることになる。