Krzysztof Kie?lowski監督
医学部生が、はじめに志を失ってコミュニストになろうとするが、やがてコミュニズム集団がくだらないことに気づき、そのうちにセックスにふけって子供が出来て結婚する。そこまでは良い。もっとも、当時ポーランドは共産主義で、上映禁止をくらったのも頷けるストーリーである。それでも、今の時代、日本人として観ても楽しめるストーリーである。しかし、残念ながら、ストーリーの最後の最後で飛行機が爆発する。この点が野蛮である。祖国の政治に配慮しての結末だとすれば暴力的過ぎ、政治文化を抜きにしたストーリーのみで楽しんだ観客には悪魔の到来のごとく映る。やはり、政治的自由がなければ、名作は生まれない。すべての物事に、自由にアンガジュマンしないといけない。サルトルはそう言っている。監督がすべての信条から、自由で、大空を羽ばたく鳥のようでなければ、観客も自由になれない。
反面教師的に、80年代の代表的作品の一つにしたい。