a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Madame Bovary (1991) - 小説との差

Claude Chabrol監督

 

小説を読むことで漠然と作り上げてきたエマの像が、良くも悪くも裏切られ、気づくと特別な感動もなく、氷のように溶けてしまったような視聴後感覚。それは、小説の読了後感覚と全く同じで、本当に不思議な小説である。もっとも実際的に迫ってきたのは、シャルル・ボヴァリーであったが(奇跡的な再現)、彼は脇役なので、そこに共感するわけにもいかない。どう向き合って良いかわからない、2時間強の映画である。