a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

煉獄エロイカ (1970) - 煉獄におけるカメラ作法

吉田喜重監督

 

空間構成の独創性によって、煉獄を作り上げることができた。すなわち、ディテールショットで登場人物を描写しながらも、彼らは常に無表情を強いられているので、結果として近景や遠景の独創的な幾何学に私の目がいく。近代的、無機質なコンクリートの四角や、どこにでも配置できる女優の股で作る三角に、必然と立場が与えられる映画空間だ。切り返しショットのキレが良く、次にどのようなショットが来るのかが楽しみで、あっという間に視聴してしまう。