a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

1960年代 ベスト

Alesha's Tales (1964) - アニメと実写

Roman Kochanov監督 アニメーションのシークエンスと、実写のシークエンスが交互に示される形式として、完成度の高い作品となった中で私が知る限り最古の作品である。少年が一人でおもちゃ遊びをしている。そのうち、想像力が先行しはじめ、遊びの世界のアニ…

The Mitten (1967) - 跳躍

Roman Kachanov監督 アニメーションに物体の速度を感じさせる作品である。的確に入る犬の主観ショットはすばらしいという他ない。アニメーションの醍醐味は現実世界には存在しない速度の表出にあると私は信じているので、ストップモーションで作られた本作に…

La Dolce Vita (1960) - 断片、糊

Federico Fellini監督 セレブに群がるパパラッチと、乱痴気騒ぎが描かれる。これを断片とする。次第に、これら断片が提示されていき、しまいに現れるのは腐ったマンタと絶世の美貌を持つ少女である。少女は、乱痴気騒ぎを起こしてついに疲れ切った大人たちを…

Butch Cassidy and the Sundance Kid (1969) - 詩的

George Roy Hill監督 ストップモーションによって動画に詩的要素を付加するように、極めてリアルな物語でありながら人物の悲哀を謳う。監督は、リアルに撮るためにはどこまで細かい編集の作業が必要がを知っている。その上で、あえてストップモーションによ…

Made in U.S.A (1966) - カリーナが世界になった時

Jean-Luc Godard : director 『小さな兵隊』で登場したデンマーク出身の女優は、かなりの芋であった。スタイルは良いが、当時のヨーロッパの女優と比べてもアメリカの名女優たちと比較しても、よくなかったのはその低い声質であったと私は思う。お世辞にも、…

太陽の墓場(1960) - シネスコの最高の撮り方。

大島渚監督 大島渚は本当に偉い映画人であって、あのJean-Luc Godardも認めているほどの独創性の塊のような人であった。北野武の作品は煎じ詰めると大島渚のフィルムの要素に帰着するような気すらさせられるのではないか。すなわち北野武が好きであればさか…