a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Total Recall(1990) - 入れ子構造のSF

Paul Verhoeven監督。 記憶の中の物語という、入れ子構造のSF。どうでも良いが、1990年は私の生まれ年である。時代を感じる映画であるが、想像力が豊かで非常に結構。 2010年代の現在では、この類いのシナリオは書きにくいと思っている。わざわざ火星にまで…

L’Annulaire (2005) - 性欲の倒錯が印象と共に描写されるフランス映画。

Diane Bertran監督。 カメラからキャラクターまでの距離が遠い。クローゼットの中や、部屋のすこし離れた場所からなど。主人公を覗き見ているかのようだ。 人の心の中を覗いているような映画。内容は拘束されたいという性的な興奮、もしくはそれにすがる気持…

The Unbelievable Truth (1989) - ふつうなインディーズ

Hal Hartley監督。 何かしら観念的なものに主軸が置かれていて、ストーリーはかなり分解されている。反核運動への募金に傾倒する少女と、刑務所から出所した修理屋の話。 こう、なにかしらの不安定さについての描写は、好ましいものがあった。この登場人物で…

Salmon Fishing in the Yemen (2011) - イエメンでサケ釣り。発想がたのしい。

Lasse Hallstrom監督。 イギリス映画。イエメンで巨大な工事を行い、魚釣りができるようにするという物語。 ストーリーに多少詰め込みすぎるところがあって、なんとなく本筋がぼやけている気がする。元々西欧とイスラム圏の国交正常化のためのプロジェクトだ…

INTOUCHABLES (2011) - 障碍者テーマ作の名作

Olivier Nakache、Éric Toledano監督。 私が泣く映画は、20作観た後に1作ぐらいのペースである。この映画は、久しぶりに涙が出た。 かなりブラックジョークが過ぎるのでは? そう個人的にひやひやする部分が多いのだが、よく考えてみるとそれは固定概念であ…

Les Mis?rables (2012) - ボリュームのある大作

Tom Hooper監督。 Amanda Seyfriedがかわいい。その他の出来は、まあそこそこ。しかし緻密に作られていてボリュームがある映画。 こう、コマの撮り方の策が尽きたからといって、あからさまに水平面を斜めに傾けるコマを入れるのはやめてほしい。2時間半もあ…

Frozen (2013) - 2010年代の名作になるだろう。

Chris Buck、Jennifer Lee監督。 ペアの監督で名作となった例が数多いが、女と男の監督が一人ずつというケースは少ない。だからこそ名作を作り得たのだろうか。 遂にやってきた、話題作。英語と日本語吹き替えの両方で観たいと始めから決めていて、ついにレ…

Marked for death (1990) - 今回も安定したSeagal主演作

Dwight H.Little監督。後にPrison Breakシリーズなどのアメリカドラマを常連で手がけるようになる監督である。 演技も撮り方もなんとなく素人くさい、よくある麻薬もの映画。 S.Seagalが出演していて、ひょんなことで女を打ち殺してしまい、協会で懺悔した挙…

EVANGELION death (true)2 (1997) - ほとんどコピペ作品。商業主義の極みを尽くす。

庵野秀明監督。 ストーリを遅々として進行させず、できるだけ引き延ばそうとする常習犯「EVANGELION」シリーズの、TVアニメ版を編集しただけの映画。Vivaldiの管弦楽や、ちらっと聴いた限りでDvo?ákのチェロコンチェルトの3楽章が出て来た。そういったクラシ…

EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE. (2007) - とにかく凝る作品。

庵野秀明監督。タイトルからして表と裏がありそうな作品である。そして実際にそんな感じのシナリオである。 このシリーズは、とにかく凝る作品である。それなのに凝って作ったであろうシナリオの核心の部分を隠し続けて、大して内容の変わらないリニューアル…

サヨナライツカ (2010) - 技巧派エスニックラブストーリー

イ・ジュハン監督。 簡単にいってしまえば大人のセックスフレンドの映画。本作とは関係ないが、作者は人というものは中性に向かっていると言っている。私はそれについては断固反対で、地球の資源の上限にあわせて多様性はうまれる方向にむかい、ただ多様性を…

God Father シリーズ(1972,74,90) - 歴代最高峰のシリーズ名作

Francis Ford Coppola監督。 言わずと知れた名作。名作の定義はさまざまであるが、私から見ればストーリーの良さと、ストーリーに完全にマッチしたカメラワークが魅力。 この中で一番好きなのは2作目である。私はコアでもなんでもない、ただの端くれなのだが…

青天の霹靂 (2014) - なぞの稲妻で超自然的に終幕する謎の作品。

劇団ひとり監督。 劇団ひとりが柴咲コウに何回もビンタされる映画。基本的におもしろいのだが、最後はなぞの観念論的なファンタジーへと魔法的に変化する。その演出さえなければ、まだ及第点がつけられるのに。 果たして主人公の人生が、本映画の出来事を通…

Spider-Man3(2007) - 主人公の成長を描ききった三作目

Sam Raimi監督。 技術力=制作費という性質もあり、だんだん制作費が上がっていっている。ヒーローとして確立した主人公が、自らの力を正しく使うことの難しさに向き合う作品。その状況を創りだすために、とても都合のよい地球外生命体をもってきて、これま…

Spider-Man2(2004) - よくまとまっている二作目

Sam Raimi監督。監督を続投である。 スパイダーマンの素性が割れる回。いままで自分がスパイダーマンであることを隠して葛藤していた主人公が、ひとかわ剥ける。カメラワークがあまり進歩していないように思うのだが、VFXがよい。 連作ものにはめずらしく、…

Spider-Man(2002) - 屈指の人気映画

Sam Raimi監督。 Willem Defoeという悪役が似合う人が出演している。撮影のカメラワークにどうなの? と思う点が沢山あったが、基本的におもしろい映画だと思われた。このシリーズはあまり憎めない悪役が多い。

Letters from Iwo Jima(2006) -硫黄島の後編。

Clint Eastwood監督。 「Flags of Our Fathers(2006)」のカップリングで製作された映画。どちらかというと戦地でのカットがとても多くて、時々回想シーンや現代のシーンが入る。主人公たちが負けていくまでを、現実に即して描いているので、単調ではあるがコ…

Yes Man (2008) - ミュンヒハウゼン症候群、宗教じみた映画。

Peyton Reed監督。 The MASKで活躍したJim Carryが主演する。 向こうのTV映画のコメディー感覚と、私の感覚が絶望的なまでに違うのかと思いきや、主演二人がぶっとんでいるからなのだとわかった。「ミュンヒハウゼン症候群」というバンドを組んでいる女と、2…

Flags of Our Fathers(2006) - 硫黄島の戦争物語。前編。

Clint Eastwood監督。 ストーリーが真実や虚構、異なる時間軸同士の対比や、戦争シーンと祝典のシーンなど、とにかく複雑である。この構想には時間を十分に書けたに違いない。撮影方法も教科書かそれ以上のものになっていて、光の使い方がとくにうまい。この…

Fire Down Below (1997) - 頭を使わないでみれるセガール

Félix Enríquez Alcalá監督。 Steven Seagalは、不死身の巨人のような役割ばかりが目立つ。逆にいえば、その役どころにおいては敵無しである。とても個性の際立った俳優である。 ストーリーの単純さが、いかに次のシーンを見たいと思わせるか、わかる作品。…

Transformers (2007) - とにかくめまぐるしい映画

Michael Bay監督。 ストーリーがいまいちぱっとしないものの、いつの間にか見終わってしまった。きっと面白い映画である。 Shia LaBeoufのコメディータッチの演技が良い。そして沢山の手法でカットが入っていておもしろいが、あまりに不必要なやりすぎなカッ…

Diamond Dog Caper (2008) - 真面目な可も無く不可も無いコメディ

Mark Stouffer監督 邦題では「わんぱくバディーズ ダイヤ泥棒をやっつけろ!」。基本的におもしろいのだが、なにか一つ決定打に欠ける。その決定だというものが、私はいまだ明らかにはなっていないのだが、なにか人の心を打つ作品にはあってこの作品には無い…

BECK (2010) - 完成度の高い原作日本映画

堤幸彦監督。 最初なめてかかって観た映画なのだが、凄いよく出来ていた。 バンドマンの映画で、伏線がもりだくさん。これは売れるだろう。 主演の佐藤健が唄う時に、あえて声を消して演出している。 音をあえて入れないのは、La môme(2008)でも使用されてい…

Monsters (2010) - SF世界のロマンスに焦点

Gareth Edwards監督。 最近話題の「GODZILLA ゴジラ」を監督した人の、昔の作品であるという。2010年公開。 毎年恒例で、火星人みたいな地球外生命体が襲って来るという、ファンタジー設定。割とこういう設定は見飽きた。但し、最後までしっかりと観る。 モ…

Return to the Blue Lagoon(1991) - 一般的なロマンス映画

William A. Graham監督。 ところどころの描写が適当であるが、全体的によくできているロマンス。 前半は、Milla Jovovichが母を演じ、離島でいきていく家族を演じる。あまりにも時間をかけすぎた伏線。背景では、男児と女児がいて、その二人が成長するについ…

My Summer of Love (2004) - イギリスの凄く優等なレズ映画

Pawel Pawlikowski監督。 イギリス映画。ハンドカメラを多く用い、さらに遠方からズームでとる事で、まるで誰かの私生活を覗き観ているかのような印象を与える。具体的にはよりリアルで、また画面が動的で不安定になる。レズものの映画はいくつか知っている…

るろうに剣心 (2012) - スローモーションで速度をごまかす技術について。

大友啓史監督。 「るろうに剣心」という漫画があり、それがアニメにもなったのであるが、遂に実写化された作品。 この漫画は、かなりのヒットを記録していて、幅広い世代にかけて人気がある。 漫画やアニメでは、それこそ空中で回転しながらの斬撃だの、平突…

Sharknard (2013) - サメ台風とかいう稀に見るふざけた映画。

[レビュー開始初期の執筆なので、気取って書いた箇所が含まれています。 あえて修正せずに残しておきます。追記2014.10.21] Anthony C. Ferrante監督。 このSharknardは、その映画モチーフをまったく踏襲せず、ただひたすら空からサメを降らせるだけの映画で…

The MASK 2 (2005) - アメリカ映画界の問題児、下品の極み

[レビュー開始初期の執筆なので、気取って書いた箇所が含まれていると思われます。 あえて修正せずに残しておきます。追記2014.10.21] Lawrence Guterman監督。 前作相当優秀だったThe MASK(1994)の続編。 The MASKは、Cameron Diaz, Jim Carryを迎え、大ヒ…

The MASK (1994) - さあ、クラブCoCo Bongoへ。

[レビュー開始初期の執筆なので、気取って書いた箇所が含まれていると思われます。 あえて修正せずに残しておきます。追記2014.10.21] Chuck Russell監督。 女優も非常にきれいで、俳優も演技がうまいコメディアン映画。主役二人は、ともにこの映画が出世作…