a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

The MASK 2 (2005) - アメリカ映画界の問題児、下品の極み

[レビュー開始初期の執筆なので、気取って書いた箇所が含まれていると思われます。 あえて修正せずに残しておきます。追記2014.10.21] Lawrence Guterman監督。 前作相当優秀だったThe MASK(1994)の続編。 The MASKは、Cameron Diaz, Jim Carryを迎え、大ヒットしたコメディー映画である。 アメリカンドリームを鑑賞者の心の中に芽生えさせる、精神的にもすばらしい映画であった。 それが10年の時を経て、摩訶不思議に変化したのが本作。 一体どうしてこうなった、としか言えず、「アメリカ映画界の問題児」と私が呼んでいる作品。

内容は、マスクを被った状態で妊娠させてしまったため、異様でハイテンションな行動をするベビーが産まれてきた、というもの。

このように書くと、脚本として面白そうにみえてくるのに、私はまったく面白くなかった。

目に見える問題は、撮り方についての決定的な理解不足である。 正面カットが非常に多いのと、カットの割り方が異質。案外コマ割りが多いにも関わらず、同じようなシーンが多い。 単純な正面カットばかりするから、画面が停滞している。私がみると、結局三パターンぐらいしか持っていないんじゃないか、とすら思われた。 もっとも、自宅の中のシーンが多く、登場人物がパパとベビーしかいない。そして、天井が高いだだっ広い部屋ばかりなので、撮り方が必然と単調になっている。 もし、Home Alone(1990)のように入り組んだ家であれば、もっと工夫が凝らせたかもしれない。 どのみち、撮り方とセット準備の両方に問題があった。 また、目に見えない問題は、脚本のジャンルが前作と異なりすぎたということである。 前作は、精神的な側面も昇華するような脚本であったが、本作はドタバタ喜劇であったということだ。 前作に比べて、高尚さがいまいち欠けた。 かろうじて、ファミリーCG映画なのかと思われた。  

受精の瞬間をCGでカリカチュアライズ、つまり、卵子にむかって精子がとびこんでいくシーンを無謀にも入れた作品は、本作以外には知らない。 このシーンが入った瞬間、ファミリー映画としての地位を自ら放棄しているようなもので、もともと少なかった頼り木が無くなり、ついに何の映画かわからなくなった。 そしてめでたく、Razziesを獲得して散った。(※)  

ゴールデンラズベリー賞はその年のワースト映画を決める祭典。名誉にも選ばれてしまった作品たちをRazziesと呼ぶ。