a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Four Rooms(1995) - Penthouse "The Man from Hollywood" - 独特

Quentin Tarantino監督 撮り方が独創にあふれている。案外『パルプ・フィクション』の翌年に公開された作品で、『パルプ・フィクション』の方が撮りかたがアートにまとまっていた感じもする。が、危険な賭けがまさに開催されようとする中、死刑執行人の役割…

Four Rooms(1995) - Room 309 "The Misbehavers" - その先が知りたい!

Robert Rodriguez監督 躾がなっていない、まだ小さい子供である姉と弟がいて「あんたの足臭いぞ」と罵り合っている。すると、彼らの足が臭いのではなく別の原因があることが判明するので、実はその先の展開が観たかった。オムニバスなので、その原因が判明す…

Four Rooms(1995) -Room 404 "The Wrong Man" - 普通

Alexandre Rockwell監督 ホテルボーイがある客室に入ると、そこに居る男が何やら剣幕を持って女を銃で脅しているありがちな展開である。

Four Rooms(1995) - Honeymoon Suite "The Missing Ingredient" -

Allison Anders監督 今回のオムニバスは、タランティーノ監督が担当した「ハリウッドから来た男」を元に作られている。ホテルのそれぞれの部屋で起こる非日常をいかに楽しく彩るかが、一つの主題であったように思われる。その意味で、魔女の霊祭がLos Angele…

Twilight Zone: The Movie(1983) - "Nightmare at 20,000 Feet" - 幻

George Miller監督 飛行機の翼に幻の悪魔が見えてしまう主人公と、実際に幻の獣がいるのかどうかが不明な世界観。結局獣は居たらしく、幻想世界ではなくSFの体裁になっている。

Twilight Zone: The Movie(1983) - "IT's a Good Life" - 超能力

Joe Dante監督 子供の超能力、女教師の包容力を合わせた作品。

Twilight Zone: The Movie(1983) - "Kick the Can" - 普通

Steven Spielberg監督 普通。

Twilight Zone: The Movie(1983) - "Time Out" - 至極普通の作品

John Landis監督 SFの説話能力を用いて、人種差別の不条理さを説いた。これは映画でいう教科書的な作品である。

The white Ribbon(2009) - 悪意を撮る

Michael Haneke監督 周りは自然で、かなり離れたところまで行かなければ別の町にたどり着かないような孤立した町の、人々の悪意を描く。それも、子供という装置を通して表現する。いかに、今回の作品は子供の表情を工夫していることか。ストーリーが進行して…

The Class (2008) - リアルを追求するということ

Laurent Cantet監督 物語の作り方が極めて独創的であるということと(ストーリーがではなく、映画製作のコンセプトとして)、一人の退学者を出させてうまく2時間をまとめたという点で、非常にうまい作品。ただし、私は本作を賞賛できるものの、二回観ろと言わ…

The Wind That Snakes the Barley (2006) - 撮り方がリアル

Ken Loach監督 戦闘の撮り方がよい。鑑賞者としての感覚では、戦闘を撮ることを前提として人物配置や建物が設定されたのではない。あくまでも空想的には地理上偶発して起こった戦闘を、うまく苦心しながら撮った、という印象がある。これは卵が先か鶏が先か…

The Son's Room (2001) - 癒す。

Nanni Moretti監督 著名監督であり、役者としてもその作品の中で活躍する人はあまり多くない。Orson Welles、北野武、、など数えるほどしかいない。そして、Nanni Morettiも当然加えてよいと思う。 本作は、カットの仕方が好みである。息子の死を乗り越える2…

Carnegie Hall(1947) - 音楽家とのコラボレーション

Edgar G. Ulmer監督 Rubinstein、Heifetzが登場して、しかも拙いながら役者として演技するという、それだけで価値のある作品である。主人公の半生を、実在のCarnegie Hallの演目と行き来して描写する、古典的ながら確実な方法で、見事に鮮やかに描き切ったの…

Gravity (2013) - 普通

Alfonso Cuarón監督 撮り方は非常におもしろかった。内容はつまらないと感じたが、いずれにせよ素晴らしい視聴体験である。もし、アメリカ映画かぶれした脚本を辞め、冗長でかつ不必要きわまりないスクリプトを50%削減したら、より良い作品になった。死の淵…

Amour (2012) - ショットの切り方が秀逸

Michael Haneke 何しろショットの切り方が秀逸なのでそれだけでも観る価値があった作品。『24時間の情事』のEmmanuelle Rivaのことが好きだったが、本作でこんなに品のあるおばあさんになるとは思わなかった。役者のことはともかく、作品の中で現実と幻想が…

The Tree of Life (2011) - 好みではないが、秀作に違いない。

Terrence Malick監督 恐竜が出てきたり、太陽系や惑星のCGが登場したりと、まるでDIscovery channelのような趣旨でもあり、従来の映画のストーリーの枠組みに収まらないシークエンスが続くのであるが、視聴した際はその点が好みではなかった。後半のシークエ…

Life of Pi (2012) - トビウオ大群のCGが素早い

Ang Lee監督 実写化が難しかったであろう原作を、ここまで映画化できるという技術に驚嘆した。おそらく、ファンタジー映画の新しい型を今回の作品は開拓した。従来の非現実世界を前提とした非現実感覚の描写ではなく、あくまでも現実世界を前提とした非現実…

Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance (2015) - すべてを飲み込む新たな虚構

Alejandro González Iñárritu監督 監督はメキシコ出身である。以前『ダニエラ 17歳の本能』の項でも触れたとおり、2010年台はフランスやアメリカ合衆国などの、映画の歴史を牽引してきた国の出身者ではなく、新興国出身の監督の勢いがすごい。彼は本作におい…

Dheepan(2015) - 良さが、わかりません。

Jacques Audiard監督 映像は、本当に綺麗。撮影も素晴らしい。私がもし受賞するのであれば、それはフランスにおける移民の苦悩にスポットを当てたことが2015年の欧州の風潮に極めてマッチしたから、という理由をつける。しかし、気に入らないのは後半になっ…

Winter Sleep(2014) - 偽善を埋めてしまうような、静かな雪。

Nuri Bilge Ceylan監督 破竹の勢いでカンヌ国際映画祭の賞を、まるで正確にコレクションしていくかのように、もしくはまさに彼こそがカンヌの渇望していた監督だと言わんばかりの、盛況振りを見せている。Nuri Bilge Ceylan監督はまだ若いのに、非常に有望で…

夜明けのうた(1965) - すばらしき群像

蔵原惟義監督 岸洋子のヒットシングルを主題にしながら、群像を描いた。落ち目の女優と失明しかかっている女が登場する。この二人の対比構造があまりにも明瞭であるから、観客として私はすんなりと映画の世界に引き込まれて、映画の発するメッセージも受け取…

BLUE HAWAII (1961) - ハワイに行きたくなる

Norman Taurog監督 Elvis Presleyの"Blue Hawaii"の曲とたくさんのアロハシャツが観れる映画だ。私はまだ行ったことがないが、本作を観るとハワイに行きたくなってしまう。

O CONQUISTADOR CONQUISTADO (2012) - 観光客

Manoel de Oliveira 監督 『ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区』に収録されている。 独創性と風刺を堪能できる作品である。根底には歴史というテーマがあり、主題として彫像と観光客が登場するわけである。よく考えてみれば、観光客という属性…

VIDROS PARTIDOS (2012) - もはや劇を必要としない

Victor Erice 監督 『ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区』に収録されている。 本作には劇がない。あるテーマを描くために主題からフィクションのストーリーを展開する、あの劇である。もちろん今回もフィクションのストーリーを展開しているの…

SWEET EXORCIST (2012) - 気鋭

Pedro Costa監督 『ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区』に収録されている。 どちらかといえば属性はアートに近い。まだ新進気鋭の監督だから、自分の目線で世界の在り方を地道に強力に作り上げた。そのため収録されたオムニバスの中では一番時…

O TASQUEIRO(2012) - 健在

Aki Kaurismäki監督 『ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区』に収録されている。 ある男のたった5つか6つくらいのショートエピソードを繋げただけで的確に人物描写をする。これがAki Kaurismäki監督の実力であり他の監督にはできない。装置とし…

Velvet Goldmine (1998) - 衣装に感動した

Todd Haynes監督 ストーリーは陳腐であり、感動的に構成することに失敗している。しかし、衣装は非常に良い。パンクの衣装を見事に取り揃えてbisexualを表現することに成功した。

Le Vent d'est(1969) - 一人称と相補関係

Dziga Vertov Group監督 Anne Wiazemskyが告白する。告白の方式を持つスクリプトに、必ずしも内容が一致はしないけれどもスクリプトを視覚的に補う関係を目指すショットが対応する。この主観と客観の間の立場にあるフィルムを観ると、文章だけでは伝えること…

Calvaire (2004) - いたって普通

Fabrice Du Welz監督 これが例えば70年代や80年台の映画であれば評価した。21世紀にもなってこのクオリティとなると評価できる点が特にはない。

Rebecca (1940) - 妖艶

Alfred Hitchock監督 ストーリーの主軸におかれるのは、レベッカという魔女のような人格のように描かれる故人の解明であり、その趣旨からして今回 の作品は妖艶なものになった。それを引き立てるのは、終始おどおどした、虫一匹ころすことができないような人…