a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

High and Dizzy (1920) - 高層ビルの窓の外を観る。

Hal Roach監督。 夢遊病と、飲みすぎた酔っ払いという、二つの軸を掛け合わせた作品。高層ビルの窓をあけて、その外にある細い足場を通っていくというモチーフは、もしかしたら本作が初かもしれない。当時の映画館にいた観客は悲鳴を上げていたであろう。

100 Flowers Hidden Deep (2002) - CGのきれいな短編を観る。

Chen Kaige監督。 『Ten Minutes Older : The Trumpet』に収録されている、オムニバスの中の一つの作品である。 途中で、アニメーションのようなCGが挿入された。CGの映画における表現の可能性は、期待が膨らむばかりである。一方で、もしオムニバスの中のひ…

We Wuz Robbed (2002) - 主人公の不在な映画を観る。

Spike Lee監督。 『Ten Minutes Older : The Trumpet』に収録されている、オムニバスの中の一つの作品である。 主人公は、明らかにゴアなのであるが、ゴアの演者はいない。ゴアの取り巻きの選挙員などのインタビューをつなぎ合わせている。それは、ひとつの…

Twelve Miles to Trona (2002) - LSDの幻覚を観る。

Wim Wenders監督。 『Ten Minutes Older : The Trumpet』に収録されている、オムニバスの中の一つの作品である。 LSDでも飲んだのか、不思議な赤や青の色がまじる画面が続く。意図がよくわからない主人公の言動が多いが、それもまたLSDの仕業なのだろうか。…

Int. Trailer. Night. (2002) - 女優の休憩時間を観る。

Jim Jarmusch監督。 『Ten Minutes Older : The Trumpet』に収録されている、オムニバスの中の一つの作品である。 映画かなにかの撮影で、10分の休憩時間を得た女優を主人公にしている。入れ替わり立ち代り人が入ってきて、いつの間にか休憩時間も終わり、…

Dogs Have No Hell (2002) - 電車の中であげる結婚式を観る。

Aki Kaurismaki監督。 『Ten Minutes Older, The Trumpet』に収録されている、オムニバスの一つである。 劇中に流れる音楽が印象的な作品である。モスクワ行きの電車出発までまったく時間がない中で、会社を辞めて、妻としたい女を店から連れて行く。音楽が…

Ten Thousand Years Older (2002) - 金属器を得ることで千年年をとる瞬間を観る。

Werner Herzog監督。 『Ten Minutes Older : The Trumpet』に収録されている、オムニバスの中の一つの作品である。 Uru-Eu-Wau-Wauというブラジルの民族は、20世紀後半になっても石器で暮らしていた。彼らに対するドキュメンタリーが本作である。彼らにボウ…

Lifeline (2002) - 「私たちを置いていこうとしたのね」と表現する特徴的な死生観を観る。

Victor Erice監督。 『Ten Minutes Older, The Trumpet』に収録されている、オムニバスの一つである。 10分の間に、赤ん坊がこの世からいなくなりかけてしまう。その様を親族が「私たちを置いていこうとしたのね」と表現するところに、特徴的な死生観を感じ…

The Enlightenment (2002) - 蚊の視線で10分を観る。

Volker Schlondroff監督。 『Ten Minutes Older, The Cello』に収録されている、オムニバスの一つである。 「期待された未来は現在に入り、可能性は縮小する」という名言を持つ短編である。これはアウグスティヌスの言葉に拠るそうである。この高尚な名言や…

Dans le noir du temps (2002) - 音楽によって繋ぎ止められた断片を観る。

Jean-Luc Godard監督。 『Ten Minutes Older , The Cello』に収録されている、オムニバスのうちの作品である。 さまざまな「最期の瞬間」を断片的に提示していき、全体を統一された映画音楽によって繋ぎ止めた作品である。オムニバスの中ではトリを勤めてお…

Addicted to the Stars (2002) - 退廃的なSFの構成要素を踏襲した10分を観る。

Michael Radford監督。 『Ten Minutes Older , The Cello』に収録されている、オムニバスのうちの作品である。 退廃的なSFの構成要素を踏襲しつつ、時間を「跳躍」していく主人公を描く。オムニバスの名称を、直球で捕らえた良作である。

Vers Nancy (2002) - ずっとしゃべりっぱなしの10分を観る。

Claire Denis監督。 『Ten Minutes Older, The Cello』に収録されている、オムニバスの一つである。 監督は移民とフランスについての関係を生涯のテーマにしているようで、本作はそのテーマの一貫として作られたのではないかと思われた。もっとも、インタビ…

One Moment (2002) - 映画にとっての10分の大切さを観る。

Jiri Menzel監督。 『Ten Minutes Older, The Cello』に収録されている、オムニバスの一つである。 几帳面な性格の監督なのであろう、きっかり10分にシークエンスを編集し、その制限時間の中で主人公の人生を見せていた。監督は、オムニバスの中で時間に「制…

About Time 2 (2002) -四つの時間軸を同時に観る。

Mike Figgis監督。 『Ten Minutes Older, The Cello』に収録されている、オムニバスの一つである。 画面を縦横に四つに区切るという編集で、物語を同時に展開する。本作が収録されたオムニバスは、多少なりとも時空間に対する裏切りをテーマにしている。本作…

Histoire d'eaux (2002) - 時空間の跳躍と、モノクロ描写の利点を観る。

Bernardo Bertolucci監督。 『Ten Minutes Older, The Cello』に収録されている、オムニバスの一つである。 主人公が別の空間に飛んだのか、もしくは過去を回想していたのか定かではないが、どちらであっても時空間を跳躍したことを示す映画である。その場合…

Making a Living (1914) - キーストン映画にしては大掛かりな、転落する車を観る。

Henry Lehrman監督。 車が山道からフェンスを突き破るショット、その現場を目撃した記者の姿を写すショット、崖から落ちる車のショット、現場を撮影しようとする記者の姿のショット、崖のしたで横倒しになった車のショット、と続く。 本作はCharles Chaplin…

The Rink (1916) - スケートをしながらの喜劇を観る

Charles Chaplin監督。 スケートをしながらの喜劇を観ることができる。

Tango Tangles (1914) - 戦闘と女の構図を観る。

Mack Sennett監督。 タンゴをしているうちに、ある女性をめぐって戦いになってしまう。男が好きな女をめぐって戦うという、古典的なモチーフがここで既に現れている。

Twenty Minutes of Love (1914) - 公園での騒動を観る。

Chaeles Chaplin監督。 Chaplinは、他の登場した男たちをすべて池に落としてストーリーから追いやる。最終的に女と二人だけが残り、池のほとりを後にする。このように、ストーリーに人物を登場させることと、人物に退場してもらうことを明瞭に意識している作…

Mabel's Married Life (1914) - サンドバックで起こる悲劇を観る。

Charles Chaplin監督。 結局は、張り倒し合いになる。この頃の作品風潮である。 Charlieを鍛えるために人型のサンドバックを購入する。酔っ払って帰宅したCharlieはそれを人間と勘違いするという内容である。 彼がサンドバックと格闘している際、隣の寝室に…

Mabel at the Wheel (1914) - 20世紀初頭の人間模様を観る。

Mabel Normand, Mack Sennett監督。 当時のカーレースの様子がよくわかる、歴史資料としても価値のある一作。車載したカメラで車内を撮影する、もしくは横から車を撮影するという手法が編み出された。 Chaplinの演技からもわかるとおり、大の大人がしている…

The Floorwalker (1916) - エスカレーターの初登場映画を観る。

Charles Chaplin監督。 聞くところによると、エスカレーターが画面に登場したのは本作が始めてである。 Charlotte Mineauの演じる監視員がよい味を出している。現場の盗人を、その隣にやってきて横目使いでひたすら監視しているのである。非常にコメディカル…

Caught in a Cabaret (1914) - 総理大臣であるという嘘を観る。

Mabel Normand監督。 監督は彼女自身がコメディアンである。日本での公開当時は、R.Arbuckleが「デブ君」と呼ばれていて、Normandは「ハネ子」と呼ばれていた。ぞんざいなネーミングである。 本作は、その当時のコメディ映画と同じく、画面をパン・ティルト…

His Regeneration (1915) - 暗がりの中で移る顔を観る。

Gilbert M. Anderson監督。 監督は、『大列車強盗』にも出演していた俳優である。 暗がりの中で、明かりがともって顔だけが映し出される。この画面効果から、detail shotへの着想の扉が開いたと考えるのは早計であろうか。映画では、登場人物の表情のみを捉…

His wedding night (1917) - 動く車を横から撮影した様子を観る。

Roscoe Arbuckle監督。 花嫁とおぼしき人 (実はB.Keaton)を車で誘拐したシークエンスで、その逃走している馬車を横から撮影している。動く車の上にカメラを置いて、並走して撮影する手法は、私が今まで観た経験の中では本作がもっとも古い。 途中からクロロ…

The Bell Boy (1918) - 建物に移動物が衝突する元祖を観る。

Roecoe Arbuckle監督。 ハリウッドで、悪党の乗った車、もちろん主人公が乗った車でも良いのであるが、これが人物ごと建物に衝突する。そして、搭乗者たちは建物の中で壊れた車から出てくる。これがハリウッドの街によくある光景であるが、もしかしたらこの…

The Butcher Boy (1917) - 女が誘拐されるというテンプレートを観る。

Roscoe Arbuckle監督。 この時期の喜劇の特徴は、特にR.Arbuckleの主演する場合、互いに好きになっている女がいて彼女が誘拐されるというストーリーになる。そしてたいてい、前半の描写と、誘拐された後のストーリーは何の関係もない。 前半はArbuckleが肉屋…

The Cook (1918) - 遊園地の逃亡劇を観る。

Roscoe Arbuckle監督。 例によって、前半と後半のストーリーにはまったく脈絡がない。"The cook, or an amusement park near the sea" という意味合いの強いストーリーである。 物語の途中で、犬が延々と追いかけるシークエンスがあり、男は犬から逃げ回るう…

Good Night Nurse (1918) - 一人称視点を観る。

Roscoe Arbuckle監督。 エーテルで眠らされるArbuckleの視点を、カメラのピントをあえてぼかすことで撮影した。この逆転の発想は、今であれば当たり前の技術であるけれども、当時の技術スタッフからみれば相当に新しい発想であっただろう。

Convict 13 (1920) - アクション映画の始まりを観る。

Buster Keaton, Eddie Cline監督。 はじめにゴルフを興じているが、ふとしたきっかけで囚人にさせられてしまう。 交渉不能な敵があらわれて、その敵を物理的手段によって倒す後半のストーリーは、ハリウッドのアクション映画の典型に通じるものがある。